こころ

明治期の文学者、夏目漱石の長編小説。「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」[1914(大正3)年]。「先生と私」「両親と私」「先生と遺書」の3部からなる晩年の傑作。親友Kを裏切って好きな女性と結婚した罪を負う先生の行く末には絶望と死しかない。「こころ」というタイトルに包まれた明治の孤独な精神の苦悩には百年たった今も解決の道はなく、読者のこころを惹きつけてやまない。新聞連載後岩波書店から刊行のとき、装幀は漱石自身が「箱、表紙、見返し、扉及び奥附の模様及び題字、朱印、検印ともに、悉く自分で考案して自分で描いた」。