明治時代に来日した日本研究家で、帰化後は小泉八雲の名で知られたラフカディオ・ハーンの短編(翻訳者は戸川明三)。平家の死者を慰霊するために建立された赤間ヶ関・阿彌陀寺に住む琵琶法師・芳一。赤間ヶ関に滞在中だという大名に頼まれ、盲人の芳一は大きな屋敷で平家物語を語る。「殿様には御忍びの御旅行ゆえ、かような事はいっさい口外致さぬように」。芳一の身体中に経文を書き付ける住職だが、耳にだけ経文を書き忘れてしまう。
明治時代に来日した日本研究家で、帰化後は小泉八雲の名で知られたラフカディオ・ハーンの短編(翻訳者は戸川明三)。平家の死者を慰霊するために建立された赤間ヶ関・阿彌陀寺に住む琵琶法師・芳一。赤間ヶ関に滞在中だという大名に頼まれ、盲人の芳一は大きな屋敷で平家物語を語る。「殿様には御忍びの御旅行ゆえ、かような事はいっさい口外致さぬように」。芳一の身体中に経文を書き付ける住職だが、耳にだけ経文を書き忘れてしまう。