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30年経っても何も変わらない奇跡のマンガ「究極超人あ~る」が『スピリッツ』で復活読み切り

発売中の『週刊ビッグコミックスピリッツ』2017年34号に、ゆうきまさみ『究極超人あ~る』のスペシャル読み切りが掲載されている。

『週刊少年サンデー』に連載されていた『究極超人あ~る』は、『機動警察パトレイバー』などのヒット作を持つゆうきの出世作。アンドロイドのR田中一郎と光画部(つまり写真部)の個性的な面々がさまざまな騒動を巻き起こす、日常と非日常が渾然一体となった学園コメディマンガだ。

高校の地味な文化部が舞台だったのも画期的で、同様の青春を送っていた文化系の人々の圧倒的な共感(?)を得ていた。連載期間は1985年から1987年ということで……連載終了から今年でなんと30年! 

そして、もう一つ驚きなのが、今回の新作は1987年の最終回、そして2年前の2015年に発表された新作(前後編)の完全に続きだということ! 単に登場人物たちの「その後」を描いているのではなく、本当に30年前の話の直後なのだ。ゆうき本人も「中身は1987年現在のお話です。ぶっちゃけ前回の続きです」とツイッターで語っている。

なにせ、キャラクターや舞台設定などの説明が一切ないまま、いきなり光画部の次期部長選の話が始まってしまう。見た目も性格も当時のままのキャラクターが次々と登場、相変わらずのやりとりを繰り広げるのだ。そして区切りも何もなく、来週もそのまま続きそうな感じでプツッと終わる。何、この感覚! 永遠に終わらない高校生活を一瞬体験したようなトリップ感がある。

ちなみに『究極超人あ~る』は、2010年の「究極超人あ~る EVOLUTION」、2012年の「究極戦隊コウガマン 劇場版3D」、2015年の前後編読み切りに続いて、今回が4度目のカムバックとなる。このまま、少しずつ続編を書き溜めてもらえば、『孤独のグルメ』2巻のように、30年越しのまさかの続刊があり得るかもしれない!

30年経って筆もアイデアもまったく衰えていないゆうきの健筆ぶりと、30年の長きにわたって熱心なファンが支え続ける人気という両輪が揃ってこそ、はじめて実現した奇跡。ぜひともこのまま描き続けて“30年ぶりの新刊”を目指してほしい。ただし、次の回が掲載されるのはまた2年後かも……。

『週刊ビッグコミックスピリッツ』はKindleでも購入可能。