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同人誌を確実にもっと多くの人に読んでもらえる「創作同人」電子書籍一斉配信の試み

『蜘蛛の糸リゾート』は同人誌即売会で出版された39ページの作品を電子書籍化したもの。
値段は100円。

一匹の緑色の蜘蛛を持って旅に出た女性。
バスに乗り損ねた彼女は、水を買って、蜘蛛にかける。
蜘蛛は糸を紡いでスクーターを作る。光合成を利用した、生成ロボットだ。
彼女は、蜘蛛が作った地図を見ながら、リゾートホテルに向かう。

全体の空気はふんわりとしていながら、設定に芯がある、サイレントSF短編。
普段なかなか入手できないこのような創作同人作品が、電子書籍で手軽に読めるようになった。


この作品は「創作同人2017年7月」として電子書籍配信されたもの。今回が3回め。
「創作同人電子書籍」いっせい配信企画

なかせよしみがサークル「まるちぷるCAFE」で立ち上げているのは、数十人の作家・編集による作品を、ブックウォーカーやKindle、パブー、koboなどに一斉に登録する、というもの。
積極的に、自主出版作家も電子書籍参入していけるような入り口を作ろう、という動きだ。


以前紹介した『食べ物漫画の舞台裏』もそのひとつ。こちらは「創作同人16年11月」の参加作品。
写真にはできない、絵だから伝わる美味しいってなんだ『食べ物漫画の舞台裏』(アオシマ書店)

同日配信にしたのは、多くの作家の本が一斉に出ることで、作家のフォロワーが別の作品に触れ、さらに別のフォロワーへと、伝染広報力をアップさせるため。
電子書籍サイトで「創作同人」と検索すると、参加者作品がズラッと出て来る。

7月分としてかなりの数が既に登録されている。なんせ値段がやすいので、気軽に買える。
定期的に行うことで、この企画の存在を周知していく方針の様子。ぜひとも応援したいところ。
2020年東京オリンピックに際して、同人誌即売会の会場確保問題に追われる前に、電子書籍の側で受け皿を確保したい、という考えもあるようだ。