UMAが好きなら言葉なんていらない「サクラクエスト」15話 凛々子、外国人女性の友達ができる
アニメ『サクラクエスト』15話。Amazonプライムビデオでは、テレビ放送とほぼ同時に配信されている。
●14話「国王の帰還」「安産」じゃないよ「安全」だよ
20歳女子の木春由乃。限界集落寸前の田舎、間野山の観光協会に呼ばれて、今度は海外の民泊施設問題を考える。
間野山に押し寄せてきた「安産」のTシャツを着た外人軍団。しおりや凛々子は恐怖でおののいていたが、実際は「安全」ですよアピールをした、研究者集団だった。
彼らの目的はUMA調査。チュパカブラ王国というからには何かあると踏んできたようだ。いや、いないんだけど……。
友好的な彼らに接するうちに、観光協会は空き家を民泊施設化し、今後につなげていく取り組みを考え始める。
そんな中「池干し」という、池の水を全部抜いて外来種ブラックバスなどを根絶させる作業が行われることに。観光客たちは貴重な機会に大喜び。
ところが、観光協会会長の丑松は、気乗りしない顔だった。

公式HPより、二期のメインビジュアル
●観光客側も気を使うインバウンド
民泊は、ほんっっとにトラブルが多い。
(参考・民泊のトラブル〜事例と対策〜(民泊の教科書) 【保存版】民泊のよくあるトラブル33事例とその対策(民泊大学))
観光協会側は困惑が多かった。しかし「クリプテッド12」の面々が海外旅行には慣れているようで、トラブルなく、無事に話が進んだ。
ホストもゲストも気を使う部分だ。
重要になってくるのは、周辺住民のインバウンドへの理解。
町民がどう見ているのかは、まだはっきりしていない。描かれている雰囲気だけ見ると、少々怪しんでいる様子。
加えて、よそから来る観光客女性に、やたらたむろう町の男たちを見ていると、とてもモヤモヤする。由乃も作中でうんざりした顔だった。
今回は珍しく、由乃がブレーキを踏んだ。
「これって、間野山の人たちが望んでいることなのかって思って」
それに対しはずみをつけたのは、しおりだ。
「だんないだんない! せっかく外国から興味を持って間野山に来てくれるんだもの、なんとかしてあげようよ!」
今までと逆だ。
1クール目が「町の人のためになるか」にがっちりハンドルを切っていたところ、今回は外人観光客側へどう配慮するかに、振り戻しているようだ。
ただ由乃の言うとおり、彼らに無償で古民家を貸し出すことで、住民側に問題が起きないか、少々ひっかかる。
●ネゴシエイター凛々子
前回のイベントが終わってからと言うもの、「コミュ障気味」と言われていた凛々子の成長が半端じゃない。
今回、UMAという共通言語があったことで、言葉が通じないにもかかわらず外国人に、唯一積極的に話しかけにいけたのが、凛々子だった。
特に女性メンバー・ルシアとは個人的にかなり親しくなっており、観光協会とクリプテッド12との橋渡しの役にもなっている。
加えて、観光協会の女子と一緒に、外泊するようにもなった。
「みんなで頑張っている」というセリフを、彼女はちらほら使い始めている。
2クール目に入ってから、OPとEDで凛々子が笑っているのが、とても印象的。みんなの写真も撮るようになった。
引きこもり気味だった彼女が、自分の意思で、人との交流を持つよう動き始めた。
ルシアが凛々子に見せたのは、ヨーロッパからアフリカまで、世界中を旅をした写真。
凛々子もルシアも、UMA好き。しかしルシアはすいすいと海外に飛んでいく。自分は間野山から出たいと考えたことすら無い。
「おばあちゃんは間野山を出たいと思ったことなかったの? 私も考えたことなかった」
「間野山を出る」というのは、特別なことではない。海外に行くのは、夢の話ではなく、自分にもできる。
UMAを追うのは、本の中だけの話ではない。
今回は「インバウンド」「民泊施設」「外来種生物による生態系の崩れ」「凛々子の悩み」「老人たちの過去」と、いろいろな出来事のヒキを一気に作った回。
全部が並行して進んでいるので、めちゃくちゃ情報量が多い。
ただ老人たちの過去の写真で、学生時代の丑松とドクと千登勢(?)がバンドをやっていたのは、かなりの爆弾情報。
丑松の「観光協会」の原点に突っ込んでくる可能性もでてきた。どうまとめていくのかの手腕に期待しています!
コミック2巻の映画撮影回では、ぶつかっていた真希と早苗。もー2クール目に入ってから、仲良しすぎてニヤニヤしてならない。
境遇が少し似ている(社会に出てもまれた経験持ち)のもあるが、わざわざ夏休み東京に戻ってからも電話をかけるほど、べったりくっついている。
今回は真希の上に酔いつぶれた早苗がのしかかっているのが最高でした。
「織部凛々子の業務日報」は電子書籍版は26日発売(紙媒体版は既に発売中)。りりちゃんファン必見。
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