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新潮社ハードル上げすぎ『ルビンの壺が割れた』のキャンペーンは成功するか?

“「すごい小説」刊行します。
キャッチコピーを代わりに書いてください!”

新潮社がおもしろいキャンペーンをしている。

2017年8月22日に刊行予定の『ルビンの壺が割れた』を2週間限定で事前公開。
“ものすごく面白く、そして、ものすごく奇怪な小説でした。
あまりにすごいので、私はいまだ、この作品にふさわしいコピーを書けずにいます。
よろしければ、この小説をお読みいただき、すごいコピーを書いていただけませんか。”
読んで、キャッチコピーを応募してください、というものだ。

電書が期間限定公開できるという利点を使って、事前に読んでもらい話題にするというキャンペーンはとても巧い。

キャンペーンページには、「社内でも驚嘆の声続々」ということで、すごい賛辞が並ぶ。
“冒頭は宮本輝氏の名作『錦繍』を彷彿とさせる大人の男女のやりとりに胸がドキドキ。 ”
“男女ふたりのメールの秘密は、ミステリーを800冊以上(たぶん)所蔵している私の、どの書棚にも分類不可能なものでした。”
“この夏、新潮社が総力を挙げてお届けする、全く新人の匿名作家の小説です。”
“出版社の腕を試される1冊になる……と身震いしています。”
“この作品、売れる予感しかしない!!”

おお、こんなにハードルあげて大丈夫か? そんなに凄い小説なのか? と思いつつ、さっそく読んでみた。
えーーーーー、と。
すらすらと読めました。
ふたりのメッセージのやりとりで展開する物語。
書き手の都合で情報を隠しているので、いくらでもドンデン返しができる構造だ。
なので、もう二回ぐらい凄いドンデン返しがあるなと思ってるうちに終わってしまった。
(電書は残りページが体感できないので、こういうことが起きる!)

Amazonレビューは、賛否両論。
新潮社に対する不信感をつのらせる星1つのコメントや、一気に読んだという星5つのコメント。
さまざまな意見が飛び交っている。
気になる人は、読んでみては。