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『やすらぎの郷』倉本聰と中島みゆきのカメオ出演、「週刊文春」によれば今後も続くらしい

絶好調のシルバードラマ『やすらぎの郷』。老いや戦争体験のような重いテーマと登場人物たちのおかしなエピソードの絶妙なブレンド具合が人気の秘訣なのかもしれない。

よく見ていないとわからないような小ネタもちょいちょい挟まれている。なかでも話題になったのが、脚本の倉本聰と主題歌「慕情」を歌う中島みゆきのカメオ出演だ。出演にあたっての裏側を『週刊文春』7月20日号が報じている。

倉本聰と中島みゆきのカメオ出演が実現したのは6月29日放送の第64話と7月7日放送の第70話。第64話では、入所者たちが「やすらぎ体操」をしている前を、車椅子に座った倉本聰を中島みゆきが押しながら横切っていく。第70話では、ベランダで吸入器を外した倉本聰がタバコを吸い、後ろで中島が微笑む。もちろん、どちらもノンクレジットだ。なるほど、テレビの世界に貢献した人しか入居できない「やすらぎの郷」に倉本聰がいるのは理にかなっている。

「車椅子に乗った倉本先生をみゆきさんが押す演技は、先生ご自身の発案です」と明かすのは、同ドラマの中込卓也プロデューサー。昨年、中込氏が中島みゆきに楽曲提供のオファーをした段階で、倉本は「一緒に出るかな」と冗談めかして話していたのだという。その後、倉本が中島に直接話して出演が決まったのだとか。

倉本と中島の関係は古く、81年に放送されたドラマ『北の国から』では中島の曲が何曲も挿入歌として使用されており、中島の曲「異国」の歌詞「忘れたふりを装いながらも 靴を脱ぐ場所があけてあるふるさと」が登場するシーンもある。74年に北海道に移住した倉本にとって、北海道出身で75年にデビューした中島の曲は親しみを感じさせるものだったのだろう。

ところで、『やすらぎの郷』の劇中の2人にはちゃんと設定がある。倉本は82歳の大物舞台演出家の役、中島は60代前半の歌手の役だ。2人の関係は「年が離れた夫婦」! 彼女の初舞台の演出がきっかけで結婚、5年ほど前に夫の体調が悪くなり、妻は介護のために芸能界を引退、「やすらぎの郷」から誘いを受けて夫婦で入居したという設定だ。中島が演じる歌手は最年少入居者ということになる。

出演にあたっては、倉本から中込プロデューサーにある条件が提示された。それは、事前告知をしないこと。「あくまでエキストラとして出るのだから、事前に宣伝に使うならやりたくない。テレビ屋はすぐ宣伝にして番組に利用しようとするだろ?」と中込プロデューサーに語ったという。さすが、現代のテレビに対する批判をドラマの随所に織り込んでいる倉本らしい提案だ。

ところで、記事によると「カメオ出演としては異例な数シーンが撮られた」という。中島は「数カット撮るとは思ってなかったわ」と苦笑していたのだとか。「数シーン」ということは、まだ今後も出番があるということ……!? 今後も画面から目が離せない。

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