地獄絵図『ど根性ガエルの娘』母が錯乱し父が倒れる家庭崩壊の3巻
ネット中大騒ぎになった15話を含んだ『ど根性ガエルの娘』3巻が発売になった。
というか14話以降、暴露の連続で、ヤバくない回がない。
『ど根性ガエル』の作者・吉沢やすみの娘大月悠祐子が、父親の横暴で家族が崩壊していった様をつづった作品。アオシマ記事です
1巻時点では、過去は大変だったけど、今はなんとか持ち直してきたよ、という体になっている。
15話で父親が満足するように、編集の「酷い話は描かない」という意見を受けつつ、自分の内で事実を曲解して今まで描いていたことを吐露。
家族崩壊からの再生は、そう見せかけてきただけだ、とひっくり返してしまった。
それどころか「吉沢やすみは脳卒中で倒れました」という事実を、このマンガで初めて明かした。
15話公開時、ヤングアニマルDensiのサイトはアクセス過多で落ちてしまった。
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「ど根性ガエル」漫画家の娘による家族崩壊実録マンガ。恐怖や怒りも何もかも描いた(アオシマ書店)
父親が、家族を壊しておいて今なお週5で麻雀を打っている描写を見ると、変な笑いしかでない。
作者本人が学校でいじめられていた話、自殺未遂をした話、一巻の対談で父がキレて手におえなくなった話。
どこをとっても生き地獄だ。
夫を好きすぎた母親は、事実をねじまげ、娘に土下座をさせて、夫の顔を立てようとしていた。
宗教に入り、おまじないをし、娘に腐った料理を食べさせ、突き放す。
「トラウマ!?バカ言わないでよ、20歳過ぎたら自分の責任よ、自分でどうにかしなさいよ」
結婚した作者に、母親は号泣してしがみつく。
「産めって言ってるでしょオオオ!」「ねェ……産んでよ孫を、私にちょうだいよ、赤ちゃんをッッッ」
母親が娘を生贄にして、幸福な疑似家族像にしがみついているかのようだ。
どこまでが事実かは、家族にしかわからない。
ただ、出版社での出来事を暴露までして、リアルタイム進行で自分の苦しみを描き続けていること自体に、このマンガの凄みがある。
時系列は、かなり複雑にシャッフルされている。唐突に洒落にならない話が飛び出してくる。過去の恐怖のフラッシュバックみたいだ。
作者は、家族に対して耐えてきた言葉を、告白し続ける。
このマンガは主人公「娘」の、家族に立ち向かう挑戦の記録だ。