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29連勝・藤井聡太四段の「凄さ」を対戦したプロ棋士たちが「週刊文春」で徹底分析

26日、30年ぶりに将棋の公式戦連勝記録を塗り替える29連勝を記録した藤井聡太四段。14歳の快進撃ぶりは、もはや社会現象と言っていい。

なにせ史上最年少プロ棋士になったのが昨年10月で、デビュー以来負け知らずというのだから、すごいの一言だ。では、藤井四段のどんなところがすごいのだろうか? 藤井四段と実際に対戦した棋士たちの証言が『週刊文春』7月6日号にて報じられている。

1年前に藤井四段(当時は三段)と練習将棋を指して負けたのが、日本将棋連盟常務理事の森下卓九段。森下九段は藤井四段の「驚異の成長スピード」を指摘する。「当時も私の完敗でしたが、今の藤井四段はあの時とは別人です」「一年前は序盤の組み立てにまだ粗さがありました。しかし最近の将棋は序盤から非常にしっかり組み立てています」

藤井四段は幼稚園の頃、所司和晴七段の『駒落ち定跡』全480ぺージを読破し、一年で完全に記憶してしまったという逸話を持つ。今年3月に藤井四段に敗れた所司七段も、藤井四段の成長を指摘している。「デビュー直後の将棋はムラがあると言うか、途中まで不利な局面だったのをひっくり返した対局もありました。ところが数ヶ月過ぎた今、そういう将棋が殆どなくなっています。悪手を指す事が非常に少ない。日増しに強くなっていると思います」

また、所司七段が自らの弟子である渡辺明竜王や、デビュー当時の羽生善治三冠と藤井四段を比較して語っている部分も興味深い。詳しくは『週刊文春』にて。

藤井四段と二度対局して連敗を喫した都成竜馬四段は、コンピューターソフトが藤井四段の実力を磨いてきたと見る。「藤井四段は、微差のリードを確保してそのまま逆転を許さない事が非常に多い。これはコンピューターの特徴でもあります」

実際、藤井四段は1年ほど前からコンピューターソフトを使用し、ソフトが示す局面ごとの評価値(先手と後手のどちらが有利かという指数)を参考にするようになった。このことで、もともと圧倒的な力を持つ終盤力に加え、序盤や中盤も隙がなくなってきたというのだ。

所司七段は、藤井四段が最年少でタイトルを獲る確率が非常に高いと見る(これまでの記録は屋敷伸之九段の18歳6カ月)。それどころか、羽生三冠の記録(6月27日の事典で97タイトル)を塗り替える可能性すらあるというのだ。名古屋の星(実際は瀬戸市出身)、藤井四段の未来に栄光あれ。

『週刊文春』はKindleで購入可能。