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クロ現発「アニメーターのブラック環境」を「アニメタ!」でもっと知り「AERA」で考えよう

6月7日放送のNHKクローズアップ現代+のテーマは、
アニメーターの労働環境についてだった。
年間300本以上の作品が作られ、市場規模2兆円に上るアニメ産業。
しかし、作品を作る現場の制作会社は苦しい。4社に1社が赤字という状態だ。

特に新人アニメーターの賃金が安く、また長時間働かざるを得ないブラックな環境であることは
調査を通じて明らかになっている。
そして、アニメーターだけではない。
制作進行の仕事をしていた男性は、残業が月100時間を超えていた。

業界の内外から改善するための対策や取り組みも紹介され、
解決していくべき問題として捉えられていることは確かだ。

AERA5/29号では、クローズアップ現代+でも登場した、アニメ制作会社サイエンスSARUについて取り上げている。
サイエンスSARUは、アニメ制作ソフトを使うことで作業を効率化。土日休み・定時で帰宅できる環境を作った。
代表は、森見登美彦の「夜は短し歩けよ乙女」の劇場版アニメを担当した湯浅政明監督だ。

「これはきれい。劇場だともっときれいに感じるのでは」
アニメ制作ソフトで作られたアニメを見て、技術を学ぶ。
良い作品を作りたいと選んだことが、良い作品を作る環境を整えることにつながった。

好きという気持ちや作品に対する情熱をぶつける場所は、
新しいところに広がっているんじゃないかと希望が持てる。

新人アニメーターの成長を描く「アニメタ!」。
アニメで人生が変わった真田幸・19歳は、アニメーターになりたいと上京してきた。

あ…あの
「げんとれ」ってなんですか?

原トレとは、原画トレスの略。
アニメは原画と動画の組み合わせでできており、動画は原画の間の絵を滑らかに動くように描き足す仕事である。
素人の幸が、なぜか日本で5本の指に入るアニメ会社N2ファクトリースタジオに合格する。

同期たちと比べ、スキルも低いし知識もないが、情熱だけはある幸。
幸のつまずきや疑問に合わせて、アニメを作る工程が丁寧に説明される。

「アニメタ!」の作者である花村ヤソは、元アニメーター。
だから業界の説明がわかりやすいし、絵がキレイでアニメっぽいコマも楽しい。
厳しいアニメーターの現実についても、ストレートに描いている。

「やりがい」と「給料」は別問題だ

好きでやっている仕事でも それに見合った額は支払われるべきなんだよ

N2ファクトリーに所属する監督・九条は自分の理念を語り、電話1本の呼び出しで休憩を切り上げ現場へと戻る。
どんな仕事でも、前向きで頼もしいリーダーに人はついていく。