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「週刊文春」報じる「食べログ」カリスマレビュアー「うどんが主食」過剰接待疑惑から考える点数の意味

筆者は「食べログ」のヘビーユーザーだ。
自分でレビューを執筆したことは一度もないが、普段行かない町に行くと、「どんな食べ物屋があるんだろう」とせっせと検索する。
点数はあくまでも目安で、結局は自分で行って食べてみないとわからないと思っている。
だから「食べログとか見てるの?ww」と笑う人とは相容れないし、点数を盲信している人もなんだなぁ、と思う。

ところで、「食べログ」に関するスキャンダルが『週刊文春』6月15日号で報じられた。
正確には、「食べログ」の“カリスマレビュアー”に関するスキャンダルだ。

「うどんが主食」はこれまで2000件以上のレビューを投稿してきた人気レビュアー。彼が高得点をつけた店は明らかに客が増えると言われており、飲食店にも影響を与えているという。
フジテレビでは「アナとウドン」という冠番組を持ち、先月には初の単行本「私が通うウマい店100+80」を上梓、今月初旬にはうどん氏プロデュースのカップ麺「マルちゃん うどんが主食 讃岐風うどん」が全国発売された。


そんなうどん氏が銀座のクラブで豪遊しているのだという。遊んでいるだけなら問題はないが、接待される側だとしたら問題だ。しかも、相手はステーキ店「ウェスタ」などを経営する飲食店オーナー。うどん氏は数十万円に上る飲み代をおごってもらっているほか、ステーキ店での飲食はタダ、ブルガリの時計などもプレゼントされている。
うどん氏はそのステーキ店に4.8という高得点をつけ、「私はここ以外ではステーキ食べたくありません」と絶賛。自著でもトップグラビアで紹介している。

これだけではない。焼肉チェーン「うしごろ」を展開する会社の社長からもゴルフや飲食などの接待を受けている。当然、うどん氏はレビューで「焼肉に困ったら『うしごろ』へGO!」と絶賛。

さらにEXILEが所属する芸能事務所LDHとも親密な関係で、LDHが経営する恵比寿の焼き鳥店「鳥佳」で接待が繰り広げられた。宴席にはGENERATIONSの関口メンディーらが駆けつけたという。「癒着のどこが悪い?」と開き直る『小さな巨人』の小野田捜査一課長ばりの癒着っぷりだ。

一方、気に食わない店には低評価を与えるのではなく、「罵倒」や「ヘイト」を書き込むのうどん氏のやり口。食材が「ニセ物」とウソを書き、「やっつけてください」と煽ることもあったらしい。中韓や東南アジアを差別することも多く、「なんと(店員)全員が外国人! (中略)チャイニーズ&盗難アジアのどっかの国の人」と書き込むこともあった。

「食べログ」には「口コミガイドライン」というものがあり、「お店から無料招待を受けて飲食した際の口コミ」はNGとされている。もし接待を受けたなら、「通常利用外口コミ」にチェックして投稿しなければいけないが、うどん氏は無視している。

「食べログ」を運営するカカクコム広報室は、『週刊文春』の取材に「事実関係が確認できないためコメントは控えます」と回答した。

こうして見ると、やはり「食べログ」の点数は盲信するものではないということがわかる。グルメエンターテナーのフォーリンデブはっしー氏は、「食べログ3.0〜3.3点の間には良いお店が眠っている」という持論があり、積極的にそういう店を紹介している。

はっしー氏はうどん氏の報道を受けて、ツイッターでこのように記している。

「けっきょくは、招待したい一部の飲食店と、タダ飯を食べたい一部の食べログレビュアー&モニターブロガーがいるかぎり、その悪習がなくなることはありません。 だからこそ、見る側としても、信頼できる人と情報を見極めるテクニックを持つことも、大事だと思います。 点数だけに踊らされちゃダメ!」

「見極めるテクニックとは、たとえば、昼に唐揚げ定食650円を食べてコスパ悪いと罵ってるのに、夜に単価2万円の高級寿司屋でいきなりシャンパンをボトルで入れてる食べログレビュアーとか、いきなり価値観が変わってない?寿司屋は招待なんじゃない?と疑ってみるとか。 情報は取捨選択してナンボ」

やはり「食べログ」は「こんなお店があるんだなぁ」と店を発見するツールとして使うのがベターだと思う。実際には自分で行って、食べてみないと味なんてわからない。

『週刊文春』はKindleでも購入可能。