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『僕のヒーローアカデミア』14巻。いつも笑顔のトップヒーローになれるか?

アニメも絶好調、『僕のヒーローアカデミア』14巻は新展開に突入した。

「象徴無き今、人々は”微かな光”じゃなく、”眩い光”を求めている」
前巻までは、いかに協力して民間人を救助し、犯罪者の鎮圧をするか、効果的なチームプレイをするヒーロー像が描かれていた。
14巻では、希望となる灯り、トップヒーローについて語られていく。

11巻まで平和の象徴として輝いていたのは、オールマイトだった。
「私が来た!」の一言で民衆は安心し、オールマイトはどんな苦境でも「絶対に助ける」という主義を貫く、まさにスーパーヒーローだった。
ところがオールマイトがいなくなってからは、ヒーローたちが連携して事件を的確に制圧しているものの、どうしても不安が世界にあふれはじめる。

トップに必要なカリスマとは何か、3年生の通形ミリオと対峙することで、緑谷出久をはじめ1年生全員が知ることになる。
ミリオの個性は透過。なんでも通り過ぎることができる。
一見強力だが、光も音も酸素も透過してしまうため、あらゆる感覚が失われるという厄介なもので、むしろ欠点に近い。かつて成績もビリだった。
それを彼はひたすら努力で補い、トップに躍り出た。

彼のもう一つのカリスマ性は、明るさにある。
いつも笑顔で元気、絶対に周りをくじけさせないムードメーカー。
「スパイダーマン」が、戦いながらジョークを振りまくのがファンに人気なのと似ている。

出久は努力を積み重ね、「必ず勝って必ず助ける」という精神力の強さで、みんなに信頼される存在になりはじめている。
しかし彼はいつも必死で、明るさを見せる余裕はない。
オールマイトやミリオはニコニコ笑っていることで安心感を与えているが、出久にそのやり方がふさわしいかどうかも今はわからない。
彼が「僕が来た!」と言えるか、試されはじめている。