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AV業界入り30周年カンパニー松尾が「週刊プレイボーイ」で語った”ハメ撮りに傾倒した理由”

AV監督・カンパニー松尾(以下、カン松)は才人である。先入観を携えずとも、彼の作品が他とは一味違うことなど、観れば誰にでもわかるはずだ。

例えば、あの大根仁はカン松が監督を務めた『私を女優にして下さい AGAIN9』を絶賛。「2010年の邦画ベスト3に挙げようかと思った」とまで激賞していたことは、個人的にも印象深い。遂には私も購入してみたが、やはりそのクオリティに間違いはなく、安堵したものである。(手にしたAVがハズレなことほど切ないことはない)
作中、唐突に挿入されたカモメが飛び立つ映像は、DV夫から逃げゆく“美和子さん”(現在、「篠田あゆみ」として活動中)の境遇と見事にリンク。文学性があり、それでいて実用性に関しても文句なし。映像作家としてもAV監督としても、カンパニー松尾は一流である。

それでいて、ピュアも併せ持つ。カン松がAVメーカー「V&Rプランニング」に入社した頃、まだ童貞だった事実は有名だ。業界内では特殊過ぎるであろうそのバイオグラフィは、のちの彼の作風に確実に影響している。
「KAMINOGE vol.31」にてカン松と対談した格闘家・前田日明は、彼が童貞のままAV業界入りした事実を知り、以下のような言葉を掛けている。

前田 そうか、だから松尾さんの作品はスレてないんですね。
松尾 アハハハハ! 俺、スレてないですか(笑)?
前田 いや、ホントに。作品に純粋さがありますよ。

手垢にまみれた表現だが、カンパニー松尾はそういうところが信用できるのだ。

■なぜ、「ハメ撮り」へ傾倒するようになったのか

『週刊プレイボーイ』no.23にて「カンパニー松尾のすべて 1987-2017」なる特集が組まれている。

AV業界入りして30年が経ったカン松の足跡を本人が回顧しつつ、なぜかフルヌードのグラビアが掲載された企画ページである。

成人以上の男性には言うまでもないのだが、カンパニー松尾といえば「ハメ撮り」である。なぜ、この手法が彼の代名詞となったか? そのきっかけには、AV女優・林由美香(故人)との出会いがあるという。
「俺はすぐに恋に落ちた。プライベートでもセックスした。でも彼女に俺の思いは届かない」
「特に自分のAVで彼女が男優とヤッているのがイヤで俺はハメ撮りに傾倒していくことになるんだ。ハメ撮りなら俺がセックスできるから(笑)」

また、ハメ撮りならば男優を雇う必要がなく、制作費を抑えることができる。そうすると予算は余り、結果的に様々なチャレンジが可能となるのだ。
例えば世に「テレクラ」が登場した際、アイデアマンのカン松は「テレクラで素人さんをナンパしてドキュメントしたら面白いんじゃない?」と思い付く。大ヒット作『劇場版 テレクラキャノンボール2013』の原型は、まさにこれである。

■カンパニー松尾は、“ハメ撮りバカ一代”である

カン松は、人生をAVで表現する。『私を女優にして下さい』『Tバックヒッチハイカー』といった旅モノAVに音楽、カレー、バイクなど自身の好きなものを盛り込んでみたり。40代になって体力に衰えを感じたら、ヨガインストラクターでもあるAV女優とともにインドへ旅立つ作品を撮影し、不意に人生の視野が広がったり。末期がんで余命わずかの実父の姿を作中に登場させたこともあった。
カン松がジャンルの垣根を超えた名声を獲得するのも当然だ。

しかし、彼は念を押す。そうではないと。
「『松尾は一般ドキュメント作の方向に進むのでは?』と思われがちなんだけど、それは違う。俺のライフワークは、おねえちゃんとハメて、旅をして、映像を残すことだと思う。一般作の世界では、ハメ撮りさせてもらえないでしょ(笑)?」

今回の特集で本人が明かした「松尾の一日」がどんなものか、以下に記そう。

10時 オフィスで起床。ストレッチをする。
11~18時 会議、面接。打ち合わせなどをこなす。
19時 自宅に帰宅。家族で夕食を食べ、1時間半ほど仮眠。
23時 改めて会社に出社。映像編集作業を行う。
4時 オフィスで就寝。

「撮影の日も同じサイクル。朝起きるのがちょっと早いくらい。少し寝不足の状態で現場に行くので、疲れマラになる。これがちょうどいい」

なんたる潔さか。AV監督として、完全にワーカホリックだ。座標軸に置かれるは、どう考えてもAVである。

最後に。カンパニー松尾は、将来の展望についてこう語っている。
「2020年に『テレクラキャノンボール』をやりたい。東京オリンピックの東京をAV目線で撮れたら最高じゃん?」
「できることなら、AV監督のまま一生を終えたい。(中略)60歳になってもこういうこと続けていたら面白いでしょ。耳の遠いヨボヨボのジジイが『ん? なんだって?』とか聞き返しながら、女優にインタビューするわけ」

どうやら、心配は不要のよう。カンパニー松尾には、AVに殉ずる覚悟がある。