1000万人が悩んでる!気圧によって頭が痛む「天気痛」から身を守るチェックリストが「週刊文春」に
朝、起きるとひどい頭痛がする。目は覚めているのに、頭を抱えてしばらく起き上がれない。筆者はこの数年、そんな症状に悩まされている。頭痛薬を飲めば治まるが、翌日はまた同じ症状に襲われる。季節の変わり目は特に多い。
このような慢性的な頭痛は、天気によって引き起こされることが多いことが長年の研究によって明らかになってきた。愛知医科大学の客員教授である佐藤純医師はこのような痛みを「天気痛」と名付けて周知に努めている。現在発売中の『週刊文春』6月1日号で詳しくレポートされている。
天気痛の主な症状は、頭痛のほか、肩こり、関節の痛み、倦怠感など。うつ病にも影響を与えているという。すべての症状を含めると天気痛の人は約1000万人に上る。
天気痛ともっとも密接に関連しているのが「気圧」だ。雨が降るから痛むのではなく、気圧の上がり下がりが痛みにつながることが多い。
以下は、佐藤医師が作成した“天気痛リスク”のチェックリストだ。慢性的な何らかの痛みがあることに加えて、次の10項目のうち、当てはまる数が多ければ多いほど天気痛の可能性が高い。
・なんとなく雨が降るタイミングが分かる
・季節の変わり目に体調を崩すことが多い
・寒さが苦手。冷え性
・乗り物酔いしやすい体質
・飛行機や新幹線に乗ることが苦手
・高所が好きではない
・耳鳴りがしやすい。耳抜きも苦手
・過去に首周りを怪我したことがある
・事故や運動で大きな怪我をしたことがある
・ストレスが多い
では、実際に天気痛を持っている人は、どう対処すればいいのだろうか? 佐藤医師は次のように語る。
「天気痛は、もともとその人が抱えていた慢性的な痛みや不調が、天気の影響を受ける事で急性化するようになった病態です。根本的には自律神経の働きを整えることが大事になります。そこで、まずは痛みが天気に影響されている事を認識し、天気の変化を察知することです。それにより、痛みの急性化を避けたり、痛みをコントロールできるようになったりします」
佐藤医師が勧めるのは、「痛み日記」をつけること。天気と痛みの関係をしっかり認識するため、「その日の天気」「気圧の変化」「出来事」「一日のうちのもっとも強い痛みと弱い痛み」「その日の運動」「睡眠時間」を記入する。そうすることで痛みが出るタイミングを自分で知ることができる。痛みが出る前に頭痛の予防薬を飲めば、天気痛による頭痛に悩まされることも減るだろう。
また、天気痛の治癒のために、もっとも大切なことは自律神経を整えることだという。そのために必要なのは適度な運動ときちんとした食生活、良質な睡眠という基本的な生活習慣が大事になる。
気圧そのものをコントロールする「プレッシャワー」という装置も開発されているが、これは一人用の装置が300万円と少々お高め。まずは自分が天気痛であることを認識し、正しい生活習慣を身につけることが天気痛緩和のための近道のようだ。
『週刊文春』はKindleでも購入可能。