えっちする前のカップルのせめぎあい『初情事まであと1時間』のドキドキがやばい
ノッツ『初情事まであと1時間』が5月23日から配信されている。
情事というのはもちろんセックス。
本番は描かれない。そこに至るまでの1時間の出来事を描いた、シチュエーションドラマだ。
58分前、緊張する初めて同士の学生2人。53分前、突然のお母さんからの電話で青ざめる2人。
26分前、今度はお父さんから。その時彼氏はアルバムを見つける。両親にとても愛されている彼女の生い立ちを見て、つい涙を流す。
14分、真剣な顔で「親御さんからも任せてもらえる男になる」と、彼氏は言う。
1時間という長さがキモだ。
それだけあったら「よもやこの人とえっちするなんて」というのも十分ありうる。
逆に、もう準備万端据え膳なのに、1時間ゴタゴタ遠回りするカップルもいる。
幼馴染で男女の関係を考えたことがなかった2人の大学生。
何度も恋愛相談にやってくる先輩女子と、ウブな後輩男子。
アピールドヘタクソなボーイッシュ女子と、ドンカンすぎるバイト仲間の男子。
歯がゆくて仕方ない。ニヤニヤする。
魔王城に行った勇者と魔法使いや、政略結婚させられた姫と王子など、バリエーションはものすごく多彩。
みんな、自信がなかったり、相手のことを必要以上に思いやったり、鬱屈を抱えていたり、いっぱいいっぱい。
みうらじゅん・伊集院光の言うところのDT力(性的経験の有無ではなく、童貞・処女時代のような想像・創造力のたくましさのこと)が、とても高い。
CASE10に出てくる男性は「女性経験の残念さ」「童貞のこじらせ」を売りに曲を作って、ネットで注目を浴びている。だから、彼のことを好きになった女性のアプローチを、拒絶してしまう。銀杏BOYZの歌詞みたいだ。
その後、曲がDT力を失ったかどうかは、描かれていない。
登場人物たちの「初情事から1時間後」、一体どうなっているんだろう。