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人が廃課金に堕ちていく仕組み『廃課金四姉妹』ガチャ爆死経験者必読、きっと泣いてしまう

ソシャゲ課金を巡る家族のあり方を描く『廃課金四姉妹』が2巻で完結した。
一巻レビューはこちら


仲良し四姉妹の長女、30歳のハジメは廃課金プレイヤー。ソシャゲのガチャにざぶざぶお金を使うもんだから、預金通帳すっからかん。
今巻は、ハジメの金遣いの粗さに徹底抗戦していたはずの二慈子が、廃課金ユーザーに転落するまでの様子を描いている。

二慈子は課金ガチャには断固反対派。だけど、あるゲームのキャラ・ルージュにちょっとときめいていた。
同じゲームをそんなにやっていなかったはずのハジメ。たまたま無料ガチャチケでSRルージュをひいてしまう。
今まで冷静だった二慈子の心は、めちゃくちゃにかき乱される。

ソシャゲ界隈は何度か「射幸心を煽る」と批判され、ガチャのシステムや表記に対して運用見直しが行われてきた。
でも多くの場合、一番煽るのはそこだけじゃない。他人のあっさり単発で手に入れました報告、いわゆる「あんたん(元は、激レアが出たという嘘情報への揶揄。今は単発でレアが出たことを指すようになった)」だ。
嫉妬でもなく、競争心でもない、独特のモヤッとした感覚の表現がこのマンガは絶妙にうまい。ガチャ爆死経験者なら、読んだら苦しくて泣いてしまうと思う。

ゲームのキャラからバレンタインチョコをもらったとき、昂ぶってしまう二慈子。その思いを(キャラと運営に)伝えたいという喜びで「課金」をする様子は、分かる人には痛いほどわかるだろう。未経験の人にしたらとても気持ち悪いだろう。
二慈子「ルージュがくれたチョコ! データだから腐らないんですよ!」「すごくないですか!?」
楽しそうでなによりです。

コンテンツに対してお金を支払う価値観、という話まで踏み込んだあたりで、マンガが終了。
これはもっと続きが読みたかった!
扱われているのは「ポチポチゲー」と呼ばれていた旧型ゲーム。近年の進歩したアプリだったら彼女たちはどうプレイするのか、すごく気になる。続編希望。


「シンデレラガールズ」トップランナーたちにインタビューした『走り続ける男たち モバマス廃人』は、このマンガとかなりシンクロする部分が多い。はっきりとは描かれていないが、二慈子が転落したゲーム「フェアリーマスター」は、モバマスととても形式が似ている。