小学生の心の病を扱う医療マンガがバケモノ退治の大活劇『たすけて!ドクタードク太』アニメ化希望
小学生向けのマンガもここまで来たかッ!
コロコロコミック掲載の『たすけて!ドクタードク太』が扱うのは「心の病」だ。
「心の病は108つ。嫉妬に憎悪、恨み辛み…。それらは体の病と異なり、普通の医者には直せない。そう―、普通の医者には。」
主人公は、井両ドク太。
九丘小学校に転校してきた小学5年生の少年。
みんなから「どうして医者のコスプレしてるの?」と言われるが、実は本物の医者だと主張している。
しかも、普通の医者には治せない「心の病」を退治する医者なのだ。
基本一話完結の連作モノ。
第一話は、仲間に入りたくて、隠れて嫌がらせをして、それを自分で解決することでいい人ぶっているマッチプンプな少年が「患者」だ。
この病魔が暴かれるまでの導入が、巧みなのだ。
誰が、心の病を抱えているのか。
意外な人物が、意外な病を抱えていて、その闇が暴かれる。
その「心の病」は、誰にでも思い当たるものばかりだ。
「独占欲」「虚栄心」「孤独」などなど。
これをリアルに解決する物語展開にしてしまうと、それはそれで重すぎる。
すっきりとした解決はむずかしいだろう。
だが、少年漫画だ。
少年漫画の良いところを存分に発揮して、後半は完全な大活劇バケモノバトルと化すのだ。
ドク太によって「心の病」を暴かれた患者が「お願いだよ、ドク太くん…。自分の体じゃないみたい…!! 助けて!」と助けを求めると、ドク太の治療がスタートする。
「病気(ルビで「病魔」)だな」
とドク太が言うと、患者の背後から病魔が、まさにバケモノの姿として登場する。
「人には108つ、心の病がある。そして…、57番目の負の感情―。「孤独」」
ドク太の決め台詞。
「オペの時間だ」
無数のカルテが宙を舞う。
「人はみな、生まれながら「カルテ」を持っている。そして、そこには、すべての記録が書かれている」
カルテから、データを読み取り診断する。
「手術の必要、「有り」」
決め台詞、決めポーズの連続。かっこいい。
あっちの世界から手術道具を取り寄せてくれるナースコールちゃんが出現する。
メスなどの治療器具を使っての病魔とのバトル。
「はーい、チクっとしますよー」
の後は、必殺技名の叫びだ(2ページ見開きだ!)。
「ハンマーインジェクション!」
「DE(ダイレクトエレキテル)ショック!!!」
「マシンガンインジェクション!!!」
「ハンマークラッシュ!!!」(「医療現場にはこういう道具もあるんだよ」の言い切りがかっこいい)
そして、
「お大事に。手術成功! あとは、患者次第(キミしだい)」
でスッキリ解決する。
この後半の病魔とのバトルがやたらカッコいいので、ぜひアニメ化してほしい。
1巻のラスト第5話では、さらに大きな枠組みも示されて、2巻が楽しみだ。