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未経験者にもオススメ、熱血女子バドミントン『はねバド!』今が追いつきどきの10巻

バドミントンの天才・羽咲綾乃が活躍するスポ根マンガ『はねバド!』も、大台の10巻目に突入しました。途中で絵柄が大幅に変わって、迫力が増しましたよね。

インターハイに進んだ綾乃は一回戦を大勝したものの、勝ち方が大味すぎてコーチから苦言を呈されてます。一方の荒垣なぎさは、膝が完治してエネルギー充填完了。初戦で一発目のスマッシュが、大砲のようなレーザービームとなって相手選手を襲います。男子選手も顔負けのパワーを持つなぎさ。

「アタシ……めっちゃ絶好調…?」

このマンガ、様々な形の「才能」を描いています。綾乃はセンス、コニー・クリステンセンは観客を魅了して味方につけるカリスマ。なぎさの場合、フィジカル(体躯)に恵まれています。作中で語られてますが、センスは幼い時の教育で身につけられる。でも高い身長と身体能力は、生まれ変わりでもしない限り得られないと。そんな天賦の才能を持つ者同士のぶつかり合いが、『はねバド!』の熱血ドラマに繋がっているんです。

コミックス1巻から登場していたフレゼリシア女子の主将・志波姫唯華の活躍が見られたのも嬉しい。日頃は面倒見のいい優しいお姉さんタイプなんですけど、試合運びは逆でした。クレバーな思考で瞬時に相手の弱点を見極めて、攻める。唯華の対戦相手は、なぎさが散々苦しめられた石澤望。第一ゲームは唯華が優勢のまま、望は一セットを落としてしまいます。

「相手のいい所なんか完全に消し去りにかかる。志波姫は平気でそんな事をするタイプだ」

冷静な分析をする立花健太郎コーチ。過去になぎさと戦って成長した望は、第二ゲームでやっと攻勢に出ました。でも、たった1点で相手を分析してしまう唯華の恐ろしさ。シャトルを打つタイミングを一瞬ずらすことでドライブ(直線に飛ぶ軌道)とクリア(山なりの軌道)を錯覚させました。この狡猾な仕掛けがスキを作って、望のペースを乱して勝利します。

『はねバド!』はバドミントン未経験者でも読みやすい。唯華vs望のように、高度な攻防や駆け引きを分かりやすく描写しています。さらに躍動感のある荒々しい筆致で表現していることも相まって、グイグイ惹きこまれてしまうんですよね。
綾乃は4回戦の狼森あかねに苦戦中。圧倒的なスピードで、綾乃に考える隙を与えない戦術で翻弄します。あかねの強烈なスマッシュに圧される綾乃、息もつかせぬヘアピン(ネット際ギリギリに落とす技)の応酬。気づいたら息を止めて読んじゃうほど夢中になってしまうスポーツマンガになってます。

『灼熱の卓球娘』も、女の子同士の熱い試合が楽しめる熱血卓球マンガ。部内ナンバーワンの上矢あがりの学校に、それ以上の実力者・旋風こよりが転校してくるのも『はねバド!』と導入は一緒。こよりは卓球が大好き、『はねバド!』の綾乃はバドミントンが大嫌い。あがり、もしくはなぎさに対する態度も違っていて、その違いを見比べながら読むのも面白い。