褐色美女好き大歓喜『萌える!エジプト神話の女神事典』の解説がやたら詳しい件
ホビージャパンが出し続けている「萌える事典シリーズ」最新刊は、『エジプト神話の女神事典』だ。
この本から紙書籍版と電子書籍版同時発売になる。
表紙は、パズドラなどでおなじみ、みんなのアイドル・バステト神。
一貫して女の子ネタのシリーズなので、オシリスとかラーとかアヌビスのような男性神はオマケ扱い。解説はされてます。
イラスト本としてポイントが高いのは、褐色っ子が多いこと。
日本の萌え文化では、エジプト女子=褐色に露出高い服に黒髪、というイメージが完全に定着している。
なので、ナディアとか、ドラクエ4のミネアとマーニャとかが好きな人は、まず買って損なし。
エジプト神話は一本筋ではなく、ヘリオポリス神話、ヘルモポリス神話、メンフィス神話などバラバラ。キャラクターとしての神様の配役設定がそれぞれ違っていて、全て正解という扱い。
そのため理解するには、創世神話、太陽神話、洪水神話、復活神話と、横に切って見ていく必要がある点を、わかりやすく解説。
カエルの頭で、豊穣・妊娠・出産を司る大人気の神様、女神転生にも出てくるヘケト。
創造神が吐いた唾液から生まれた最初の存在、湿気を司るメスライオンの神様テフヌト。
シリアから流入した信仰で、信者男性と巫女が性交渉を行って奉納する儀式を行っていた、性の女神カデシュ。
王家の谷で、墓荒らしに毒液をかけて盲目にするコブラの墓泥棒ハンター、メレトセゲル。
ナイル川の豊穣と太陽神話を軸に、多様な女神が紹介されている。
資料部分の充実度が高いのもこの本の特徴。
ピラミッドは奴隷が作ったとは限らないとか、ナイル川が枯れないわけのような豆知識。
死者の書やミイラが欠かせない、復活の儀式の流れ。
かなりかゆいところまで手が届くエジプト神話入門書になっている。
中でもヒエログリフ解説がめちゃくちゃわかりやすい。
象形文字であるエジプトの文字は、表音文字と表意文字が混じったもの。日本のひらがなと漢字、両方を組み合わせたような構造だ。
長くなりがちな象形文字をいかに使っていたか、具体的に説明されている。