今夜放送『けものフレンズ』最終回『コミックアラカルト ジャパリパーク編』で耐えろ
今夜『けものフレンズ』が最終回を迎える。
今期のダークホースとして注目を集めている3DCGアニメ。のんびりした擬人化動物の癒やし描写と、その裏に張り巡らされた伏線と背景設定、主人公2人のロードムービーとしてのできの良さが、特にニコニコ動画とTwitterを通じ、口コミで普及。
BD付き書籍は枯渇して即予約完売、一部の動物園もあわせて盛り上がりはじめ、ギンビス「たべっ子どうぶつ」公式にサーバルキャット追加の問い合わせが増えているなど、ちょっとした社会現象だ。
ニコニコ動画一挙放送のコメント数は、『まどか☆マギカ』や『ラブライブ!』を抜いてダントツ一位に。
1話の再生数は現時点で400万再生を超えている。
けものフレンズ一挙放送!来場者30万人、コメント270万人、アンケート97.6%という大記録が達成できました本当にありがとうございました!
簡単に言うとディ〇ニーランド1週間分くらいの人が同時に楽しんだという感じです!感無量です!! pic.twitter.com/qyzeYQaG1y— 福原慶匡(けものフレンズ&ラブ米) (@fukuhara_ystd) 2017年3月25日
『けものフレンズ』関連書籍で先陣を切って出版されたのが、『けものフレンズコミックアラカルト ジャパリパーク編』だ。
最終回前に出る、というスピードなだけあって、描かれているのはアルパカさん、トキさん、ツチノコさんなど、アニメ前半に登場するキャラクターが中心。
持ち味である「癒やしギャグ」と「ちょっとセンチメンタル」の部分を、作家たちが膨らませて描いている。
カネコマサル「ジャパリカフェはじめました」は、アニメで描かれなかった部分の補完創作として秀逸だ。
アニメ3話、アルパカさんが開いた高山のカフェのはじめてのお客さんが、主人公たちだった。
彼女らが訪れる前。ずっと長い間、誰も来ないカフェで待ち続けていたアルパカさん。
接客を練習を一人繰り返す。精一杯の知識で飾った花は、待ちすぎて枯れてしまう。
こういう感傷が、『けものフレンズ』にはとてもよくマッチする。
青木ハヤト「あいどるしぼー」では、ストーリーに一切絡んでいないチベットスナギツネを中心に話が進む。
『けものフレンズ』のアプリゲーム版(すでにサービス終了)では、『艦隊これくしょん』並に擬人化されたキャラクターがいる。アニメとは一応パラレルという設定だ。
だがかばんちゃんとサーバルちゃんの旅に、他のフレンズが出てきても何らおかしくない。
『けものフレンズ』は、想像のネタが枯渇することなく自由に楽しめるコンテンツだ、という可能性を打ち出した一作だ。
なお『けものフレンズ』ブームの流れについては、下記のリンクをご参照ください。
最終回直前「けものフレンズ」福原P「『ツチノコはいません』と言われたらぶち壊し」 エキレビ
すごーい! 「けものフレンズ」は全肯定してくれる人類史SF。絶滅危惧種のヒトが火を使う エキレビ
たーのしー! 知能の低下と上昇を招くアニメ「けものフレンズ」の怖さと心地よさ ねとらぼ
間の悪かった『けものフレンズ』コミック版、再開してください アオシマ書店