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地味だと思うな、女子高生たちの和楽器は激しくて熱い『なでしこドレミソラ』

「ドレミソラ」とはファ(4)とシ(7)を抜いた、「ヨナ抜き」と呼ばれる和音階のこと。
女子高生による和楽器バンドマンガ『なでしこドレミソラ』2巻の配信が始まった。


主人公の美弥は、中学では真面目で地味、やりたいことも特になかった。
高校デビューを果たすべく、ド金髪にメイクにイヤリングと、ギャルに一変。かっこよく暮らそう!と決意。
彼女に声をかけてきたのが、和楽器大好きな陽夜。尺八が大好きで、和楽器バンドを組みたいと声をかけまくる。
美弥は最初「地味なのは嫌だなぁ」と断る。かっこよくなるためにメイクしたのだもの。
しかし、連れられて見に行った和楽器バンドの音を聞き、無趣味だった彼女の中に「好き」だという明確な感情が芽生える。

彼女たち、作中で全員、練習が楽しすぎて、全然遊んでいない。2巻ラストで、遊んでいないことを思い出して、そこではじめてみんなで楽器以外のことで盛り上がったくらいだ。
練習そのものが楽しくてしかたないのだ。
一巻で、人前に立って緊張した美弥が言う。
「人って、どうでもいいことには無反応なんですよ。私今まで何かを好きになったことがなくてですね、それで「普通に」緊張したこともなかったんです。だから、なんだか嬉しくて」

作中での和楽器の扱いは、だいぶポップ。何の曲をやるか決めるときに陽夜が「千本桜」や「ルージュの伝言」、ももクロやいきものがかりを出してくるくらい。古典・民謡・J-POPの間に境界線をひいていない。

バンドでいうと、陽夜の尺八は、ボーカル。美弥の三味線はギター。
人見知り激しく内気な香乃の13弦箏は、裏メロディーを奏でるキーボード。
香乃大好きな気の強い優等生の恵真の17弦箏は、ベースといったところ。
楽器描写はかなり細かい。音の表現に擬音を使わず、波状の着物文様で表現しているのもユニークだ。
打楽器キャラも出て欲しいなー。

和楽器青春マンガは、そこそこ出ている。
津軽三味線を通じて描かれるボーイミーツガール『なずなのねいろ』。

こちらも津軽三味線がテーマの熱血ストーリー『ましろのおと』。

箏と三味線とドラム、という女子高生融合型バンド『ごにんばやし』。

ミッション・スクールで、シスターと問題児が太鼓を奏でる『和太鼓ガールズ』。

箏曲部で全国大会を目指す青春群像劇『この音とまれ!』。