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どんな贅沢しても許される31歳女子、実在の店で食べる絶対美味しい『ごほうびおひとり鮨』

アラサー女子、一人鮨の至福。『ごほうびおひとり鮨』の配信がはじまった。

31歳の伊崎藍子、10年付き合っていた男性にフラれた。怒りと焦りが抑えられない。
後輩は言う。「ってことは、どんな贅沢しても許されるんです」

彼女が最初に恐る恐る入った、回らない鮨屋。
「女ひとりで入っていいの!?」「スッゴイ高かったらどうしよ」
入ると、メニューがない。お値段書いてない。
やばい。冷や汗。

おまかせで出てくるのは、「アワビの肝をアサリのだしでのばした肝ソース」「昆布じめカスゴダイに黄身酢おぼろを乗せた握り」「ウニの四種盛り」。
今までの「鮨」の価値観がどんどん溶けていく。
そんなん絶対美味しいだろ……。大当たりしか出てこない。

もちろん、そこそこお高い。とてもじゃないが毎日食べられる値段じゃない。
けれども、取り立てて後悔する額でも無い。
この「絶対美味しいとわかっているものを、お金だして食べる」という行為、満足度が半端なく高い。
背伸びすること自体が、癒やしだ。

鮨屋の楽しみの一つが、味やこだわりについて親方と会話できること。
「おひとりのお客さん、特に初めての方はいじりますよ。もちろんひとりの空気を大事にしてる人には話かけませんが」
親方の気遣いもまた、贅沢体験。

出てくる店は全部実在のもの。
これが高いとみるかか安いとみるかは、読む人次第。
ただ、「ご褒美」と考えたら、一回くらいは……そこからハマっちゃうんだろうなー。