孤独だから請求書が届くのも嬉しい『マヤさんの夜更かし』2

以前も紹介した『マヤさんの夜更かし』1巻が、今Kindleで0円。
そして発売されたばかりの2巻の、22話がすごい。


『マヤさんの夜更かし』は、魔女を自称する自堕落な女性マヤが、バイト後夜な夜なスカイプで、東北に住んでマンガを描いている豆山と話すだけのマンガ。
いわゆる「サギョイプ(作業スカイプ)」。

22話ではマヤさんが突然言う。
「私は最近自宅の郵便受けを開けることが楽しいのだよ。何が入っているかわからないワクワク」
まあ、わかる。でもAmazonも最近は郵便受けに入れないし、なんだろう。
「嬉しいことに今日入っていたものはコレだ、ネット通信費の請求書

マヤさん理論。
・月イチで定期的に届くから、一ヶ月乗り切った実感がわく。
・ネットは自分の楽しみなので、対価を払っている感覚がある。
・自分の住所と宛名が書いてあるから「ここが私の住所」「居場所がちゃんとここにある」という実感がわく。

2017年の今だと、ちょっとだけ説得力がある。
今はたいてい、メールやらスカイプやらLINEやらで済んでしまう。
ダイレクトメールなんかは届くものの、定期的に自分の住所が書かれたものって、確かに請求書くらいしか届かない。
一人暮らしだと郵便を使う割合がほぼ無い。手紙出す機会は、年賀状なんかも含めて21世紀に入ってから激減していると思う。

オンラインで豆山とつながり、一応バイトもしているマヤさん。深夜一人になると不安にかられる。
「私はちゃんとこの部屋にいるのかなとか、そもそも世の中に存在していないんじゃないかとか」

コミュニケーションツールが増えすぎたからこその不安。
10年後には思いもしない形で、「孤独」のあり方は変わっているかも。