産む男と男の大傑作ジェンダーSFラブコメ『白馬のお嫁さん』
ようやく21世紀のラブコメが登場したな。いやぁ大傑作。
ラブコメSFマンガの大傑作だ『白馬のお嫁さん』。
まだ1巻しか読んでないけど、読んだ興奮を抑えるために紹介しよう。
ゲリラ豪雨でびしょぬれになった主人公の氏家くん。
入寮してすぐに「ちょうど新1年生の入浴時間だからすぐ入んなさい」ってことで、
入ったお風呂には、全裸の美少女が三人。
って、ここまでだったらベッタベタの旧世紀ラブコメ。
この美少女三人の性器が、見たこともない姿形。
「風呂に入ったら未知の性器」
語る美少女の詳細な説明はマンガを読んでもらうとして、ざっくり申しますと
「Y染色体を持った産む男」。
美少女ではなくて男なのである。
「あ~あ お嫁さんがほしい!」という女性のためにデザインされた男の新しいバージョンなのだ。
舞台は、遺伝子デザインがそう珍しくないほど技術も進歩した2063年。
とはいえ、見た目はほぼ全裸の美少女。
しかも、あれやこれやあって(読んで!)、結局、氏家くんの父が経営しているシェアハウスに一緒に住むことに。
というわけで、完全にラブコメの典型ハーレム設定だが、
全員の目的は、嫁を見つけること!
というわけで、婚活ラブコメ・ジェンダーSFという贅沢なジャンルミックスであり、
しかも、それが見事に融合して、このややこしい(そして実はシリアスな)設定のなかで、
微エロあり、ドキドキあり、ハートウォーミングありで、実は堂々の王道まっすぐなマンガでもあるという奇跡。
しかも、Kindle版は1巻が0円(2017/03/17現在)!
衝撃の1話は、ネットでも読める(→庄司創『白馬のお嫁さん』:アフタヌーン)
読むしかないでしょ!
作者の庄司創は、アフタヌーン四季賞2008年秋の四季大賞を受賞し、2009年4月号デビュー。
その入選作「三文未来の家庭訪問」は、『白馬のお嫁さん』の設定が重なっている作品で、こちらもジェンダーSFの傑作だ。