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思春期は好きなあの子の何もかもがえっちに見える『いんらんベイベー』

セーラーの夏服は、肌色が目立って見える。体感肌色成分80%増し。
ということは、ほぼ全裸といえまいか!?
なんていんらんなんだ!


妄想暴走ヰタ・セクスアリスコメディ『いんらんベイベー』2巻が配信されている。

優秀でイケメン、さわやかな人気者・常願寺平助。
彼は性的なことを全く知らないし、興味も持っていなかった。
しかしナナメ前の席の江口千尋さんを見ていると、体の一部が興奮してやまなくなる。

江口さんがあくびをした。口の中が少してかっている。
おなかが空いて鳴りそうになると、恥ずかしがって強くかがむ。
歯磨き中、歯ブラシが口の中を出入りし、ピンクの歯茎があらわに。僕は彼女が口をすすぐ音を聞きながら眠りにつきたい。

江口さんがいんらんなわけではない。常願寺が江口さんを見て性に目覚め、いんらんを発見していくマンガだ。
常願寺少年は、他の女の子のパンチラに全然興味を抱かない。
「好きだから興奮するし、好きじゃないから興奮しない。恋ってそういうものじゃない?」
常願寺がフェティシストとちょっと違う。
性的興奮と恋愛が未分化で、彼は「好きな子へのドキドキ」がそのまま興奮になっているだけだ。

例えば江口さんが書いた文字。
文字は書いた人の分身と言われる。つまり江口さんの分身を手に入れてしまった。
表現は大げさだけど。好きな相手の手書きを入手したら、ドキドキするのはよくあること。

学校という空間は小さい。学生時代は身体も小さく外の世界を知らないため、学校が全てのように感じられる。
性に目覚め、人を好きになることを知ったばかりの常願寺にとって、江口の行動一つ一つが世界の全て。

完結巻の2巻では、常願寺が大人になった後の様子が描かれる。
好きな相手に感じた「いんらん」は、次第に「ノスタルジィ」へと名を変えていく。