「尻を大きく開いて アナル呼吸!」たたみかける下品ラップに気をつけろ『男三女四』完結
新島高等学校1年A組に在籍する男子3人、女子4人の生徒たち。そんな彼らの日常は、いつもお下劣な珍事件にまみれて、すったもんだの大騒ぎ!?
アニメ化もされた『デンキ街の本屋さん』でおなじみの水あさとが、全力でシモネタに挑戦した意欲作『男三女四』も、この6巻でついに完結となった。
ページを開けば「ちんちん」「キンタマ」「尻」が乱舞するボケとツッコミの高速回転が、繰り返し読んでしまうほどに癖になる、謎の中毒性があるのだ。
例えば6巻の65時間目「カラダを張らにゃ、痩せれんぞ」では、母親のエクササイズDVDを発見したマエシロがダイエットするためにDVDに挑戦する……のだが。
エクササイズDVD「尻を大きく開いて アナル呼吸!」
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マエシロ「出来るかよ!」
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うつ伏せでお尻を高く掲げたポーズのまま「出来ちゃった自分が悔しいよ」「超えちゃいけないラインを越えた気がする」と悔し泣きしながらアナル呼吸してる美少女。
こんなシモネタを水あさと独特の可愛らしいタッチの絵柄でやっているからこそ、ギャップのある絵的なインパクトに大笑い。
これって子供の頃に誰もが通過してきた、下品な言葉を連発する幼児性「うんこちんちん」症候群(勝手に命名)、あのギャグテイストなんじゃないだろうか。
しかもそれを男子高校生・女子高生が全力で体現しているんだけど、生々しい性的いやらしさはなく、子供の無邪気ないたずらとして消費されているので読後も清涼感すら感じるのが見事!
また『男三女四』独特のギャグとして、「全裸のオッサン」が大量に配置されているのも特徴的だ。
夜空を見上げれば全裸オッサンの星座がきらめき、肝試しの夜には全裸オッサンのキ○タマが光って人魂っぽく見えて、夜店で糸引きくじを引けばブリーフ一丁のオッサンの乳首が釣れるというのが、本作では日常の景色。
これほど全裸のオッサンを使いこなす漫画は見たことがない! と言うか他にやろうとも思わないであろう、オンリーワンの笑いが詰まっている。
また全裸はオッサンのみならず、男子たちも割りと肌色多めにひん剥かれることが、このマンガではよくある出来事だ。
6巻の69時間目「最新型はハンパじゃない」では、ツハコが興味本位で新型のマッサージチェアに座ってみると、隣ではすでにグシケンが試乗していた。
音声ガイダンス「タマ叩きとはキンタマを集中的にケアするコースです」
「オーーーーーッ オーーーーーッ」ドドドドドドドッ
と股間を押さえて上下に振動するグシケン。
その後も超音波振動で服を破砕されて全裸になったグシケンが、タマが爆発するツボを押されて「ウワアアア!」と絶叫! 下半身から爆風が舞い上がる光景はなんともシュールすぎる。
オチまで真っ逆さまのジェットコースターみたいなマッサージチェア体験回は、個人的にイチオシの爆笑エピソードだ。
描き下ろし漫画では某萌え4コママンガ雑誌を意識したネタもあり、とにかくサービス精神旺盛な遊び心ある『男三女四』。全6巻完結した今、まとめて一気に読破しよう!