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ギャルに話しかけられたい願望を満たす「ひょっとしてギャルは俺らに優しいのでは?アンソロジー」

「ひょっとしてギャルは俺らに優しいのでは?アンソロジー」が3月3日から電子書籍配信されている。

タイトルの通り「俺ら」と「ギャル」の住む世界は違う、とするところから、スタートしているアンソロジー。作品を見ていると、「ギャルって敵だと思っていた」という含みもあるようだ。

00年代以前のアニメ・マンガでは、ギャル、特に黒ギャルは悪役として出て来ることが多かった。
(90年代だと「ギャル=若い成人女性」になる)
ところが昨今、ギャルの見方が急激に変化してきた。
ギャルの語が持つ意味はファンタジー化され「明るくて元気」「いつも楽しそう」「前向き」と解釈。
「根暗なぼく・わたしでも、明るいギャルたちなら話しかけてくれそうな気がする」という萌え対象化してきた。
同時に「ギャル」という語の指す対象が広がり、「学校でちょっとおしゃれな子」もくくられるようになってきた。

おおのいも「ギャルとオタクのかくしごと」。
オタク集団の中でひっそりすごす冴えない少年。クラスの中の元気で人気者のギャル・藤沢が、自分と同じアニメが好きだという秘密を知り、仲良くなっていく。

菅原健二「となりの鳴澤さん」。
ぼっちでいることに誇りを感じている少年。隣の席は、ハイテンションすぎるギャル。迷惑がっていたが、接するうちに彼女がものすごい勉強家であることを知る。

gum「アコガレの女子大生」。
地味でパッとしない少女。大学に合格してキラキラするつもりが、全くうまくいかない。彼女は、大学で美しさを磨くギャル集団に巻き込まれる。

基本的に「意外といい子」というギャップ萌えか、「前向きでまぶしい」という憧れが、「ギャル」キャラクターに向けられている。

昨今人気のギャル作品だと、みんなに遊んでいると誤解されがちだが、夢はやさしいお母さん、という少女を描いた『おしえて!ギャル子ちゃん』が前者にあたる。
少し前にアニメ化された。

後者にあたるのが、冴えない男子をいじって遊ぶキラキラ感が魅力の『はじめてのギャル』。
こちらもアニメ化が決定している。

「ギャル」のキャラクター造形に並々ならぬ努力を注いできて、昨今のギャルキャラブームのさきがけをになってきたのが、「アイドルマスターシンデレラガールズ」シリーズ。

ガチガチのカリスマギャル姉妹・城ヶ崎美嘉・莉嘉をはじめ、パリピスタイルから、ヤンキー、バブル時代ギャルまで、細分化して描いている。