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売れなかったら即AVデビュー『バックステージ!』アイドル残酷物語

崖っぷちアイドルの限界操業。「バックステージ!」が2月20日から配信されている。

売れないアイドルグループ「マイルストーン」。ライブには10人くらいしかこない。
社長の鬼頭龍平は、マネージャーとアイドル4人を呼び出す。
「君たち今日からAV女優ね」
AV女優は会社に莫大な利益をもたらしてくれている。売れないアイドルはお金にならない。
「愛を金(ドル)に換えるから”アイドル”と言うんだ。それができない君たちはアイドルじゃない」

背水の陣になったマネージャーの井上カスミは「売れなかったらAVデビューするアイドル」という「個性」を逆手に取り、「マイルストーン」が東京ドームでライブするほどに育てる、と啖呵を切った。
首の皮はつながった。
マイルストーンは一気にスキャンダラスな話題にはなったものの、売れるとなると別問題。
井上は、ゴシップまみれで業界引退したプロデューサー、三間坂裕介に助けを求める。

アイドルの「売れる」方法を、きっちり計算して組み立てていく。
例えば三間坂の言う「ドヤ顔理論」。
歌が上手いのはよいとして、それをひけらかす状態になってしまうと、人は応援はしなくなる。

だからぶっちゃけヘタでもいい。
必死に歌ったり踊ったりするのを見ると、人は同情する。応援したくなる。
そうなれば、お金を払ってでも応援しようという気持ちになる。
であれば、レッスンよりも「アイドルの売り方」に時間を費やしたほうがベター。

アイドルの「商品価値」について、アダルト商戦と比較しつつ、お金の面で考えていく作品。
人気をお金で勘定するのは、ちょっと汚い感じがしてしまう。
しかし、お金を払ってでも応援したい、というファンの思いは、なによりも強固な礎だ。


原作は「リアルアカウント」でSNSを軸にデスゲームを描いているオクショウ。
崖っぷち状態連続の「バックステージ!」も、時間制限の中で生き残る、頭脳型アイドル版デスゲーム、とも読める。

さて、最近はなかなかえぐい試練に立たされている二次元アイドルたちがいる。
アイドルが文字通りのデスゲームに挑むのが「堕イドル」。

監禁された50人のアイドル。オーディションを強制され、不合格者は次々に死んでいく。


「アイドルデスゲームTV」は、センター争いに生死をかける少女たちを描くゲーム。
脱落したアイドルはテレビで公開処刑「デスライブ」に出演させられる。

あんまりにも理不尽。
だからこそ応援したくなる、という意味では「アイドル」らしいのかも。