高校時代を空気を読んで暮らすのは命がけ『すうの空気攻略』
高校時代はクラス内で空気を読まねば、生きられない。
「すうの空気攻略」1巻の配信が始まった。
田舎の島に住んでいた女の子、海島雛(すう)。一人前の女性になりたい!と願って都会の高校に通うことにした。
だがすうには、同い年の知り合いが今までいたことがない。
「都会の高校は修羅の地そのもの……そこを生き抜くための術が、このノートに詰まっとる。」
母親がくれたのは「空気(フェイズ)攻略マニュアル」。
困った時に開きなさい、と渡されたすう。
早速「クラスの自己紹介」で、大困惑。
開くとそこには、母のアドバイスが書かれていた。
「空気【閃剣の初太刀】 自己紹介の場で発現。 空気タイプ…『広域型』 攻略レベル…『4』」
空気(フェイズ)の攻略法だ。
母が書いた、マジック・ザ・ギャザリングのようなシチュエーション解説を読みながら、すうが場の空気を乗り切っていくコミュニケーションコメディ。
これが意外と的確。
「【皇廊邂逅】廊下で人とすれ違う際に発現。 空気タイプ『舞動型』 攻略レベル『2』」
廊下で知り合い的微妙な距離感の人が見えた時、挨拶をするかしないか。どのくらい会釈するか。距離感を計算しなければいけない。まあでもこれは序の口。
「【覇涙】同じ空間の者が泣いている際に発現。 空気タイプ『広域型』 攻略レベル『12』」
クラス内で泣いている人がいる状態を乗り切るのは、あまりにも厳しい。耐えるしか無い。大人でもどうにもできない。
基本はすうが、ノートを見ながら人間関係に挑む、失敗する、の繰り返し。
しかし彼女は裏表がなく純朴。自分の利のために動かず、人のためにとっさに動ける子。
空気がうまく読めなくても、実直に対応する方で打破できることはたくさんある。
高校生で、そこに気づくのは難しい。