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間の悪かった『けものフレンズ』コミック版、再開してください

「すごーい!」「たーのしー!」でおなじみ、「けものフレンズ」のコミック版2巻が、2月10日から配信されている。


できがいいだけに、ものすごく連載と発売のタイミングがもったいない作品。

主人公の人間の少女・菜々は、ヒトの形をして言葉をしゃべることができる動物「フレンズ」のいる「ジャパリパーク」の飼育員になった。
彼女が受け持ったのは、元気で明るいサーバルちゃんと、気が強くてワガママで、ツンデレのケがあるキタキツネさん。
キタキツネさんはいかんせん常識を知らない。買い物の概念がないので勝手にお店のものを食べてしまう。肉まんをあちこちで食べ散らかす。
先生的立場で、フレンズをしつける日々が始まった。

「艦これ」の提督と艦娘のような関係と似ている。
ただし、フレンズの活動場所はパークの中のみで、飼育と管理の主従関係がはっきりしているのは独特。
これは「生き物は全て平等である」というテレビアニメ版の価値観と全然違う。

アニメ「けものフレンズ」が急にネットで話題になったのが、先々週。
Twitterのトレンドは「けものフレンズ」で埋まり、アニメのBD付きムックはベストセラー一位で予約品切れ。重版がもう決定済み。


そんな中発売されたコミック版2巻は、完結巻
めちゃくちゃ間が悪い。

ソーシャルゲームから始まった「けものフレンズ」のメディアミックスプロジェクト。
ゲームは昨年3月には完全無料化になり、12月にはサービス終了。運営のネクソンは、再開の予定なしと明言している。
ゲームがなくなってから、アニメが始まり、ブレイクしてしまったのだ。

コミックは2015年7月から開始し、2017年1月26日に連載終了。
ネットで人気に火がつく、寸前だった。

アニメはフレンズ同士が「相手を否定しない、個を認め合う」価値観で成立している、優しい作品。
舞台は完全に廃墟化した「ジャパリパーク」で、人間はその種族名すら知られていないほどの絶滅危惧種の可能性がある……という、バリバリのポストアポカリプスSF。

希少種である人間(と思われる)ヒロイン・かばんちゃんが、多数のフレンズに囲まれる、謎多きアニメ版。
人間が多数派で、飼育の関係が整っており、パークが活気に溢れているコミック版と比較すると、地上における「人間」のあり方の違いがとても気になる。
コミック版がさらに世界観を描写してくれたら、アニメとはパラレル設定ではあるけれども、廃墟化の以前・以後のように変化の部分を楽しめたはず。本当に惜しい。

アニメだけ人気うなぎのぼりで、他コンテンツが斜陽になってしまった「けものフレンズ」。
ワンフェスではねんどろいどなどの新作フィギュア化が発表され、別の面から伸びる兆しが見えている。
ぜひともコミック版も復活してほしい。オムニバスだし、まだまだ続ける余地はあるくらいキャラ多いんだもの。