戦場の最凶最悪の幼女『幼女戦記』…どうしてこうなった

アニメ放映中の「幼女戦記」コミカライズが、2ヶ月で3冊連続刊行中だ。


日本のエリートサラリーマンが死の間際、創造主(彼曰く「存在X」)に逆らった彼は、異世界で幼い女の子に生まれ変わる。
魔法の素質を与えられた彼女は「ターニャ・デグレチャフ」と名付けられ、9歳にして戦場に放り込まれる。

ターニャ(の中のサラリーマン)は超絶社畜体質で、業績を積んで立身出世することに人生をかけている。
軍人という立場になったことで「昇進」の機会を得たと狂喜。
かつて21世紀日本で身につけてきた戦争知識や科学的思考を駆使して、ガンガン上へと登っていく。

大枠は「大人の知識」を引き継いだ異世界転生モノ。
原作でのガチミリタリー描写はコミックでも健在。ハードな政治・戦略・軍事作品に仕上げられている。
ターニャは戦闘の際、子どもの姿をフル活用する。
相手の油断を招き、仲間の恐怖心を煽る。天才幼女というカリスマを振りかざし、部隊を引き連れ戦場に向かう。

近代戦争の戦術や、世界大戦での国家間の動きを知っているからこそ、めちゃくちゃな強さを発揮するターニャ。
本人はできるだけ出世して、後方で将校として優雅に暮らしたい。
だが、賢すぎる・強すぎるがゆえに、周囲が敬意を払いすぎて、どうにも思った通りに行かない。
上官に好かれて予備戦力になるべく立派な兵を演じたところ、忠誠心高しと魅入られて最前線へ投入。
エリートコース狙いで参謀次長に今後の戦術について語った所、優秀な指揮官と見込まれて大隊を率いて戦場に出るハメに。
無双キャラなのに、どうしてこうなった、の繰り返し。

一応魔法はあるものの、「強めの現代兵器」という感じ止まりなので、一次大戦の戦記物の感覚で読める。
原作小説は、電子書籍では6巻まで、紙媒体では7巻まで発売中。