• トップ
  • セール情報
  • AVに障害者を出さないのは差別なのか『封印されたアダルトビデオ』57%OFF

AVに障害者を出さないのは差別なのか『封印されたアダルトビデオ』57%OFF

アダルトビデオ業界に詳しいルポライター・井川楊枝の『封印されたアダルトビデオ』。
2017年2月のKindle月替わりセール対象商品だ。57%OFFで読むことができる。

紹介されているアダルトビデオは、リリース直前になって発売中止になったものや回収されたもの。
その内容を紹介するだけでなく、著者が出演者や制作者に当時の状況や心境を聞きに行っている。

安達「誰だって、表立っては障害者を差別しているなんて言わないじゃないですか。そんな話を女優さんとすると、彼女たちも『差別なんかしてないですよ』って言う。『じゃあ、障害者が相手なんだけど、その仕事を受ける?』って言うと、みんな嫌がるんですよね」

AV監督・安達かおるの証言だ。安達は『ハンディキャップをぶっとばせ!』(1993年)というアダルトビデオを制作。日本ビデオ倫理協会の審査に落とされ、発売されることはなかった。
理由は「障害者差別に配慮するため」だった。差別よりも、社会問題になることや見た人の不快感への配慮という面が大きかったのではないか。

同じように障害者を出演させ審査に落ちた『初犯』(1992年)というアダルトビデオがある。監督のバクシーシ山下がぼやく。

山下「フィリピンでは、健常者と障害者が分け隔てなく暮らしていて、小人をからかうような演出のテレビ番組などもあります。彼らを出演させることは差別だって言うんですけど、そう言う人の方が差別だと思うんですがねえ」

それから20年以上が経ち、2016年には障害を持つ身長109cmのAV監督・にしくんがデビューした。作品には本人も出演している。
アダルトビデオに障害者が出演することの何が差別なのか。楽しそうに撮影をするにしくんを見ていると、時代は進んだと感じる。

本書で紹介されているアダルトビデオが封印された理由は様々。明らかに犯罪で制作者が逮捕されたものもあれば、おばか過ぎて笑えてしまうものもある。
そのほとんどが90~00年代の作品だ。2017年では販売可能だろうか、当然封印だろうか。自分の価値観や社会問題と照らし合わせ、悩みながら読むのも面白い。

AV出演強要問題に関心があるならば、同じ著者の『モザイクの向こう側』とあわせてどうぞ。