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小5少女の残虐ゲーム大冒険『メガロポリス・ノックダウン』

小学5年生の少女が惚れ込んだのは、コンシューマゲームのZ指定、18歳以上向けの暴力ゲーム。
「メガロポリス・ノックダウン」の1巻の電子書籍配信が始まった。 

優等生の小5・鋭美は普段全然ゲームに興味がなかった。厳格な家庭に育ち、ケイタイも持っていなかった。
ところがある日テレビで見た残虐ゲーム「メガロポリスノックダウン」に、衝撃を受ける。
現実そっくりの町で、人を撃ち殺す! 車を爆発させる! 街中をぶっ壊す!
ぞっこんになった彼女は、両親に内緒でゲーム機を揃え、クローゼットの中でZ指定のゲームを始める。

「暴力ゲームを子どもがやっていいかどうか問題」はかなり大きく取り上げられる。しかし、それは一番のテーマではない。
娯楽に厳しすぎる両親の目を、室内センサーと偽装工作を駆使してかいくぐる。
巧みに年齢詐称して、ゲームにアカウントを作ってログインする。
ダメな大人たちがドンパチするオンラインで、正々堂々生き残る。
少女の、冒険の記録。
「クライムアクションゲーム」をプレイする、少女のクライムアクションなのだ(やってることはアウトです)。

ゲームは「グランドセフトオート」によく似ている箱庭型。
プレイヤーキルは当たり前、強盗は基本ミッション。NPCの通行人殺しはむしろレベル上げのために推奨。とまあここまではいい。
理不尽な初心者狩り、口汚い罵り、下品な言動、他人への迷惑行為。システム的になんでもできてしまう。

鋭美も最初はこの洗礼を受けて、バカにされて泣いてしまう。
折角の「ゲームの臨場感」を、ゲームを愛していない大人たちに踏みにじられたのが、悔しかったのだ。
「せっかくのゲームを、現実のうっぷんを晴らす排泄場所としか思ってない」

トリガーハッピーな彼女は、みるみる銃撃戦の腕を磨いていく。
強くなければ生き残れない。「悪人の礼儀とプライド」をロールプレイしながら、鬼になるべくテクニックを磨いていく。
親に見つかるか。子どもとバレて垢BANされるか。それとも歴戦の大人プレイヤーに勝ち続けて、架空犯罪都市の頂点に登り詰めるか。
彼女の秘密の遊びは続く。

なおあとがきによると、「レーティング破り」というネタは数々の編集部でNGを食らい、持ち込みを諦めてWEBで自主発表したことで、人気に火がついた作品だそうだ。