少女、いつでも死ねるように準備中です『終活女子高生』はコメディ
エンディングノート。
来るべき死に備えて、自分の希望を自由に書き留めるノート。
基本は何を書いてもいい、遺言よりもはるかにゆるい物だ。
女子高生・大泉律は、エンディングノートにみっちりと希望を日々書いている。
一年後に死ぬからだ。
高校生の終活コメディ「終活女子高生」の配信がはじまった。
大泉律は学校中の男女から人気のある、清楚で美人なお嬢様。
彼女は見た目ヤンキーの藤沢沙羅にやたらとつきまとってくる。
余命一年なのでやり残しのないよう生きたい、その一つとして本当にいい人と仲良くなりたい、という理由だった。
ところが律はめちゃくちゃ元気で、いつもテンションが高い。
本当に一年で亡くなるのか?と訝しげな沙羅を連れ回して、律は墓石を探したり遺影を準備したり、およそ女子高生とは思えない行動を繰り広げる。
内容は一切重くないコメディ。
そもそも、終活というのは前向きなものだ。
律のエンディングノートには「財産分与」や「人生の歴史スクラップ」の他に、「ジャンボパフェを親友と二人で完食する」のような、どうでもいいような単なる希望・欲望がいっぱい書かれている。
やりたかった事は全部やっただろうか。
律は「沙羅と一緒にすごせるGWは最期だからめいっぱい楽しむ」と、毎日全力で生きている。
実際誰だって、その年のGWは一度きりなのだ。
老齢でなくとも、日々を悔いなくすごすためにエンディングノート作ってみたくなる、楽しい終活マンガだ。
2巻は2月7日発売。
なお近年は、SNS問題やデジタル仏壇などPCデータがテーマの「デジタル終活」や、膨大なコレクションを持つオタクの身辺整理「オタクの逝き方」、自分の人生設計を広く考える「失敗しないエンディングノートの書き方」、終活専門雑誌「ソナエ」など、バラエティにとんだ終活本が出ている。