2017.01.03

少年と狐と牛と

文:川内謙士郎

◇桃、盗まれる◇

 太古の昔、その世界は生まれた。その世界とは、人類普遍の世界ではなく、中華文化の精髄。天界である。天界は周囲を湖に囲まれ、その湖は周辺万里の大海よりも遙かに広かった。湖水は、どこまでも透き通り、真上から見ると深い湖底も明瞭に見ることができた。
 湖に漂う靄(もや)は空間に特殊な技法で彫り込まれたように静止している。時間が凍りついているという錯覚すら覚える空間。静寂で、ごく微細な波動すらない湖面。その世界に、かすかな変化が生じた。湖面にさざ波が生じたのだ。それは天界開闢(かいびゃく)以来の出来事だった。さざ波は、さらに大きくなった。
 靄の奥から、湖面を泳いで渡る黒い大蜥蜴が姿を現した。大蜥蜴は緩やかに尻尾をうねらせながら岸辺を目指している。湖面の静謐さとは明らかに異質な存在だった。真紅の舌をちろちろと出しながら岸に着くと、そのまま陸へと上がった。碧眼は細く開かれており、四本の脚のうち前足は獣の脚で、後脚は猛禽類の脚と爪のようだった。前脚には炎のように赤い袋を持っていた。
 岸辺に上がった異形の蜥蜴は、不意にぐずぐずに崩れ、肉団子のような塊になったかと思うと、直ぐに棒状に高く膨れ上がり、裸の男に変身した。彼は赤い袋を提げ、大股で湖の近くの桃の森の中に姿を消していった。
 しばらくすると、男は、桃の森から出てきた。例の赤い袋を提げている。男が袋の中に左手を突っ込み、手を引き出すと、そこには桃の実が握られていた。男は、その桃の実をうまそうに齧(かじ)った。その腕に桃の果実が滴(したた)り落ちた。桃を食べ終わると、男は大蜥蜴の姿に戻った。
 その背には、さっきまでなかった蝙蝠(こうもり)のような羽根が生えていた。異形の蜥蜴は羽根を羽ばたかせ、今度は桃の森の横に広がる草原へと飛び去って行った。
 どれほどの時間が経ったろうか、異形の蜥蜴は草原から湖の元へ戻ると、そのまま湖面の上を滑空するように飛び去って行った。その前脚で持っている真っ赤な袋は、大きく膨れ上がっている。その中に、何かが新たに詰め込まれたのは確実で、恐れく、今、天界の奥のどこからか運んできたものだと推察された。
 そのものが飛び去ると湖は何事もなかったかのように静寂を取り戻し、湖面は、何処までも滑らかな磨かれた鏡のようになった。湖面に漂う靄は、飛び去る時にかき乱されたままの状態で、再び悠久の時を刻み出した。
 三時間後、金色のちゃんちゃんこを着た白兎が、広大な草原の細い一本道を人間のように後脚だけで走っていた。
「お叱り、お叱り。いい気味じゃ。」
 兎はそう何度も繰り返し、左耳に飾っている、ご自慢の赤い珊瑚玉が途中で落ちたのにも気づかないまま疾風のように草原を駆け抜けた。兎は間もなく桃園の中へと駆け込んだ。三百年に一度だけ実をつける桃の花が、甘い匂いを漂わせながら兎の頭上の枝という枝で咲き乱れている。
 兎は、桃の樹々の間をもの凄い速度ですり抜けながら一路、森の隅にある番小屋へと向かった。その小屋近くの陽だまりに飛び出した時、兎が見たのは、いぎたなく眠っている二人の神主の姿だった。
 牛頭天王(ごずてんおう)と天狐王(てんこおう)である。
 牛頭天王は、牛の角と顔をしており、その毛は淡い青をしていた。彼は膝まである筒のような中国服を着ている。その服は黒地で、腰から下の部分に銀色の刺繍糸で雲の紋様が鮮やかに施してある。
 彼は大の字になり、鼾だけでなく、時折、歯ぎしりまでしていた。
 その脇には、天狐王が白い狐の顔で人間のように腕枕をして横になっている。彼の服は白地で、薄い青の模様が描かれていた。この模様は水のように流れる風のさまを表現したものであった。
 二人の足元には、鉾や槍が放り出されている。
 二人が昼寝をしているのに意表を衝かれた兎だったが、すぐに(これは何も知らせない方が、きっと面白いわ)と心の中で意地悪な笑味を浮かべた。
 「起きなはりませ。早よう起きんと、どうなっても知りまへんどすえ」
 優しい言葉遣いとは裏腹に、兎は二人の尻を次々に蹴飛ばした。不意に起こされた二人のうち、とちらかが「お前、いま、尻を蹴ったやろう?」と不機嫌そうに言ったが、兎は長い耳を倒して聞こえない振りをすると「天宮殿に急いで来いとのお言いつけでおます」と告げた。
 二人は顔を見合わせると、首を捻った。
 天狐王、通称・白狐(びゃっこ)が「一体、何の用でっか?」と兎に訊いた。兎は、「西王母さまじゃ。行けばお分かりになろう」と素っ気なく答えた。兎は、なかなか動かない二人に痺れを切らし「お先に…。貴王らも急がれた方がいいぞえ」と、森を後にした。
 兎がいなくなると、牛頭天王、通称・牛鬼(ぎゅうき)は「あいつは、いつも肝心なことは言わんからな。白狐。しゃあない。とにかく行こか」と眠そうな声で言った。二人は、ぶつぶつと文句を言いながら足元に転がっている武器を番小屋に納めると、いきなり飛翔した。真っ青な空を飛ぶ二人のはるか彼方には、天界を囲む湖が見える。
 牛鬼と白狐は、平原に降り立った。天宮殿の周辺では飛行が禁止されているからだ。とは言え、天宮殿までは、まだ、かなりの距離がある。二人は、時折、欠伸をしたり、尻や頭をぼりぼりと掻いたりしながら、とぼとぼと一本道を歩き出した。やがて平原の丘に巨大な白鳥が両翼を広げたような建物が遠くに見えてきた。天宮殿である。さすがに二人の顔が締まりだした。 
 白狐が不意に「西王母って? あれが、ばれたんでっしゃろか?」と、牛鬼に小声で訊いた。
 牛鬼は、ぎょっとして歩みを遅めると「あれって何や」と訊き返した。
 「わてらが、桃の実を盗んで食べていることですわ」
 「あれは、熟し過ぎて落ちたものを、勿体ないのでもろうとるだけやないか」
 「よういいますな、最初こそ桃の実を数え間違いしたんを誤魔化すためでしたが、最近は、おいしそうな桃を見つけたら数えんで落ちるまで待ってるくせに…。あのおばはん、『最近、桃の数が少なくなったわね』ってこぼしとるって小耳に挟みましたで」
 「ひょっとしてばれたか?」
 牛鬼が、浄瑠璃の人形のように眉をびくびくと上下に動かした。白狐は、牛鬼に顔を近づけ囁いた。
 「あのおばはんが知ったとしたら、烈火の如く怒ってるでっしゃろな。なにしろ、桃園は、あのおばはんのためだけのものですからな。枝が一本折れてもお叱りを受けて牢に入れられた奴もおりますさかいに…。桃の実の数を誤魔化し、まして、それを食べてたとなると、首が飛ぶんちゃいまっか」
「わしをびびらせて、どうしようというんや? まあ桃の話と決まったわけやない。わしかて、あのおばあさんは苦手や。とにかく桃の話やったら、最後までしらを切り通すんや」
 牛鬼は白狐を睨むと、そう強調した。二人は天宮殿に着くと大広間に入って行った。大広間には紅の円柱が何本もそびえ立っていた。その天井は、あまりにも高いため、床からは霞んで見えなかった。
 大広間には、意地悪そうな笑顔を浮かべた白兎が待っていた。兎は「天帝様もお出ましじゃ。すぐにいらっしゃいますぞ」と言うと、姿を消した。二人は、天帝と聞いて急に顔が強張った。「大変や」と言うと、直ぐにその場に座り込み、両手をつくと頭を垂れた。
 白狐が下げた頭のまま横を向き「呼び出したんは、天ちゃんやったんでっせ。あの性悪の兎が嘘ばっかり言いよって。それにしても何かしでかしましたかいな?」と牛鬼に訊いた。牛鬼は少し怒気の籠る声で応えた。
 「それがわかれば苦労はせんわ、阿保。それに、いま、一生懸命考えとるが、な~も思い出せん。とりあえず、ここは恭順の意を示すっちゅうやつや。畏(かしこ)まって恐縮している振りだけはしとかんといかん…、シッ。入って来たで」
 二人はさらに頭を深々と下げた。
 白狐と牛鬼は、恐れ入った様子で頭を床に擦りつけ、岩の塊のようになった。
 「ババーン」という銅鑼の音とともに、天界のすべてを司る天帝が現れた。関羽のような髭を生やし、金糸銀糸の刺繍が施された極彩色で派手な柄の中国服、それに、眩(まばゆ)いほどの宝石で飾り立てられた王冠をしている。その背後からはオーロラのように光がゆらゆらと立ち昇っている。いわゆる光背である。天帝は、二人の前にある玉座に億劫そうに座ると、その肘掛に右手で頬杖をついた。天帝が不機嫌な時にみせる癖だ。
 天帝の嘆息が聞こえ、狐と牛の全身に緊張が走った。
 天帝は、二人をもの憂げに、ちらりと見ると「叶わんなぁ」と、気だるそうにこぼした。
 「昼寝をしとったそうやな。おかげで見い、桃の実を五個も盗られ、宝物殿からも大事な物(もん)盗まれてしもうたやないか。どないする気や?」
 ひれ伏している白狐と牛鬼の二人の肩がびくりと震えた。白狐が慌てて頭を上げた。彼は、素っ頓狂な声で「ほんまでっか?桃が盗まれたんでっか?」と叫ぶように言った。
 「嘘や冗談で言えることかどうか、案上(あんじょう)、考えてから訊きなはれ」と天帝は、軽く狐を叱った。白狐が「そうでんな」と大きく頷くと、天帝も頷き返して念を押した。
 「お前たちが呼ばれた理由(わけ)が分かったか?」
 白狐は、その言葉に、またも頷きながら、素早く天帝の周辺を見回した。
 天帝の脇には妻の西王母が怒りで顔を真っ赤にさせて座っている。その脇を顕生真君などの天界の将軍が固め、さらに、その後ろに女官や副官がずらりと立ち並んでいた。彼は、すぐに隣の牛鬼に囁いた。
 「こりゃ、洒落になりまへんで。天界の主だった神が全員、揃うてます。豪華総出演どす。変やなぁ。いつの間に桃を盗まれたんやろ?」
 白狐の囁きに、牛鬼が顔を下げたまま横を向くと、怒った声で囁き返した。
 「阿保、分かるわけないやないか。酒飲んで寝とったんやで。こうなったら、もう言い訳は利かんで。さっきから言うとるやろ。ここは、ひたすら恭順の意や。謝り倒すんや。ええな!」
 そういうと、牛鬼はひれ伏したまま「まことに申し訳もございません」と、わざと震える声で返事をした。白狐も「えろうすんまへん」と大きな声で詫びた。二人は、さらに深くひれ伏し、土蜘蛛のように床に這いつくばった。
 天帝は、その二人を見下ろしながら頬髯(ほおひげ)を撫でて再び深く嘆息した。その嘆息の度に彼の光背が揺らめき、それがひときわ強い威厳を、この神に与えている。沈黙が続き、大広間はしんと静まり返ったままだった。
 牛鬼が震え声で叫んだ。
 「本当に申し訳もございません。謹慎処分でも何でも好きにしてください」
 天帝からの反応は何もなかった。こういう時は、数秒間が数分にも感じられるものだ。天帝の無言の圧力に負けて、とうとう白狐が再び頭を上げた。
 「申し訳ありまへん。いや、実は酒飲んでしまいまして・・・。でも、わてが飲もう言うたんちゃいます。牛鬼はんが、酒でも飲みたいなって・・・」
 白狐が、そう弁明し始まると、牛鬼が、憤然として頭を上げた。
 「なんちゅうこと言い出すんや。酒飲んだやなんて・・・。そのうえ、わしのせいにする気か。えげつないこと言うの止めんかい」と声を荒げた。牛鬼は、すぐに天帝の方を向き「この狐の言うことを信用したらあきまへんで。天ちゃん」と、顔の前で手を振って否定した。
 西王母が牛鬼の言葉に、すぐに反応して身を乗り出した。
 「天ちゃん?」
 「あわわわ、天帝はんや」
 「天帝はん?」
 西王母の目が、細く鋭く光った。
 牛鬼は震えあがって、身を縮こまらせたが、それでも、このまま黙っていては、すべて自分の責任になってしまうと思った。彼は、すぐに開き直った。
 「天帝様。こうなったら嘘も隠しもありません。確かに酒は飲みました。そやけど、先に『飲もう』って言い出したんは白狐(びゃっこ)の奴でっせ」
 この言葉に、白狐も即座に反応した。白狐は手をつくのを止め上半身を起こした。
 「あんさんの方がえげつないわ。いや、それは違いまっせ。牛鬼はんでっせ。『今日は、何といっても、めでたい日やから酒でも飲みたいな』って、そう言われましたん。それ、ほんまどす。天帝様」
 天帝は雷鳴のような声を出した。
 「どっちゃでも、よろしい。酒飲んで昼寝をしていたことに変わりはなかろう。お前たちが大酒飲みだということを知らぬ者は天界にはおらん。問題の核心は、そういうことではない」
 その声は天涯まで届くかと言われるほど響き渡った。白狐と牛鬼の二人の神は、再び地面に這いつくばった。
 西王母は「今日は祝日でも何でもないぞえ。一体、お前たちのいう、めでたい日というのは、どういう意味かの?お前たちの頭が、めでたいということなら分かるがの・・・。ほほほ」と冷笑を浴びせた。
 白狐が再び顔を上げた。
 「よう訊いてくれはりました。実は、牛鬼はんが、『いつも、お美しい西王母様だが、今日は、一段とお美しい。眩(まばゆ)い程だ。まことにめでたい』と、こう言いましたんで・・・へえ」と言うと、再びひれ伏した。
 西王母は、白狐の”逆襲”に言葉を失った。女官たちが忍び笑いを漏らしたが、西王母に横目で睨まれ、一同は顔を伏せた。
 天帝は、その様子を見ながら「ま、飲むのに理由は要らんちゅうことやな。とにかく責任だけは取ってもらわなあかん。分かっとるな。ついては盗まれたもんを取り返してきいや」と、ぼそっと言った。
 「はあ?」
 白狐と牛鬼が同時に顔を上げて、ぽかんとした顔をした。天帝は頬杖をついたまま「取り返して来なはれ、というとるんや」と物憂げに言った。脇で西王母が頷いた。
 牛鬼は、困惑した表情を浮かべた。
 「一遍、盗られたもんを取り返すなんて無理でっせ。桃の実は、もう食べられてしまっとるがな」
 牛鬼が、そう言うと、天帝は、かっと目を見開き二人を睨みつけた。
 「桃に実だけやない。桃の実やったら、お前たちもようけ盗み食いをしとるやないか。知らんかったとでも想っとったんか?そうやないんや。天界の宝を盗まれたんや。ちょっと来い」
 天帝を二人を呼び寄せた。その脇で西王母が「まあ、やっぱり盗み食いされてたのね」と逆上した。天帝は「その話は、後じゃ。今は、それどころではない」と妻を黙らせると、二人の耳元で何事か囁(ささや)いた。二人の顔はみるみる青ざめていった。
 「分かったな。じゃ、取り返して来るんやで。三千世界を全部巡っても探し出すんや。それからお前たちは人界をよう知らんと思う。適当な人間を見つけて協力してもらいや。ええな。宝を取り返してくるんやで。それまでは、お前たちは天界の門をくぐらせんからな」
 天帝は、そう言うと「ほんまに、どもならんで」と、欠伸を噛み殺しながら玉座からゆっくりと立ち上がった。彼は億劫そうにゆるゆると歩きながら奥に姿を消した。天帝に従って西王母も将軍や女官たちも全員が立ち去った。
 残された二人は顔を見合わせた。
 「えらいことになったな、白狐」
 「まあ、しやあないでっしゃろ。宝物殿は、わてらの責任やおまへんが、少なくとも桃を盗まれたんは、わてらの責任や」
 「お前、よう落ち着いとられるな。わし、これから、どうすればいいかもわからんのに」
 「どうもこうも、まずは人界に降りることでっしゃろ。とは言うても、わて人界に降りるのは初めてですねん。なんや不安やなぁ」
 そういって白狐は、がっくりとうなだれた。
 この世には、天界以外に人間が住む人界、仙人が住む仙界、それに死んだ者がいく冥界など、いくつもの世界がある。天帝がいった三千世界を探し回るためには、そのすべてに行かなければならない。そのすべての通過地になっているのが人界だった。つまり天界から、仙界や冥界に直接行くことはできず、どこに行くにもまずは、人界を通らなければならない。
 しかし、二人は、人界について、まるで知識がなかった。見知らぬ世界に行くことに本能的な不安を感じていた。
 牛鬼は「何や知らんが、目が覚めたら、とんでもないことになっとったなぁ。悪酔いして夢を見とるんやないやろか?」と心細さそうに言った。
 「こないなハッキリした夢がありまっかいな。あ~あ、今日は本当に『ついとらん日』や。あんさんの言った通りになりましたなぁ」と白狐は、両手で顔を覆った。

◇李徴、登場す◇

 人界は唐の玄宗皇帝の治世だった。世界史上、中国文化が最も爛熟した時代のひとつである。
 その唐帝国の田舎の山路を十六歳の少年が歩いていた。少年の名は李微(りちょう)。字(あざな)は聖朋(せいほう)。中国の中央部に近い清廉郷のはずれに住む儒生で、この日、南阳の近くに住む造り酒屋の叔父の所へ彼の娘の婚礼祝いを届けに行った帰りだった。
 季節は秋から冬へと移り、山の木々は、すっかり裸になり、梢を渡る風がかすかな口笛のような音をたてている。
 「これは思ったよりつらい。少し休むか」
 李徴は道端の木の切り株に腰掛けると、叔父が返礼にと持たせた酒だるを横手に置き、額の汗を拭った。顔を射す陽射しは暖かだった。
 彼は改めて自分が担いできた酒だるを見た。酒だるは罍(らい)と呼ばれているもので、ひと抱えほどの大きさがあった。罍は酒が一杯に入れてあり、どうみても半斗、つまり十キロ近くの酒が入っていた。叔父の土産は、いつも商売物の酒になるので、彼は自分の家まで酒を運ぶのには慣れていたが、この日は、欲張ってもらい過ぎたようだ。
 李徴は暫く酒だるを睨みつけていたが、不意に、ぽんと手を打った。(飲めば飲むだけ軽くなる。それだけ運ぶのが楽になる)ことに気がついたのだ。