中国妖怪、ケルトの女神…マニアック度アップ「萌える!事典」シリーズ電子書籍化第三弾
ホビージャパンの「萌える!事典シリーズの第三弾が、Kindleやブックウォーカーなどで電子書籍配信を開始した。
第三弾は「妖怪事典 伝承編」「ドラゴン事典」「デミヒューマン事典」「中国妖怪事典」「ケルト神話の女神事典」の五冊。
これで一旦、出ている分の電子書籍化は完了。今後は本と電子書籍同時発売になる。
あらゆるものを女の子にするこのシリーズは、ネタの範囲が狭くて深いほうが面白い。第三弾までくると、濃さはどんどんグレードアップ。
『萌える!淫魔事典』他電子書籍化、「女性型淫魔(サキュバス)」がいっぱい
かわいい魔神を召喚しよう(ただし自己責任で)萌える!事典電子書籍化第二弾
「中国妖怪事典」は、中国の伝承に伝わる存在のみを集めた本。
「竹取物語」で皮衣が出てきた、火の中で生きて燃えることのない火鼠(かそ)。
「霊幻道士」で一躍有名になった、怪力を持つ動く死体キョンシーこと僵尸(きょうし)。
農民が恐れたバッタの群体を引き起こしたり、また押さえたりする力を持つ蝗神(こうしん)。
巨大すぎて文献には羽しか描かれておらず、日蝕の原因ともいわれる鳥、鵬(ほう)。
一応この本では妖怪・霊獣・神怪・人怪と分けているが、境界線は曖昧。時期によって伝説にズレもある。
たとえば「三皇五帝」という、伏義や祝融や黄帝など「8人」が統治していた神話がある。
伝説を整理すると、ぶっちゃけ10人以上いる。
これは「三皇五帝」の概念だけ先に作って、誰が当てはまるのかが後回しになったせいだ。かなり雑。
自然界の現象に、儒教・道教の考え方が入り混じってできているのが、中国妖怪伝説。
ずらっと並べてみてみると、日本の妖怪や鬼の考え方が根本的に違うのが分かる。
また道教由来の妖怪にまつわる風習は、日本の平安時代に流入している、などの文化の動きが見えてくる。
「山海経」など、実際の書物に残っている絵も多数掲載。女の子化された絵と比較すると楽しい。
「ケルト神話の女神事典」。
ケルト神話を、登場する女神のキャラクターから読み解く、入門編的な本だ。
アイルランド、スコットランド、ウェールズなど中心とした神話を整理。
「ケルト神話とは何をさすのか」「ケルト人はどこにいたのか」「他の民族とどう絡んでいったのか」など、一から説明している。
地域差や、文化の出入り、キリスト教との合流・駆逐で、混沌としたケルト文化。神話体系の解説パートでは、流れをシンプルにまとめていて、わかりやすい。
さらに詳しくケルト神話を知りたい人は「図説ケルト神話」がオススメ(電子書籍版はありません)