肉が好きだ、奢られる理由がないから自腹で食う『肉女のススメ』が清々しい
肉を中心にした食べ物漫画「肉女のススメ」2巻の配信がはじまった。
肉ばっかりで、食べ方が汚い、と婚約者にフラれた狼谷花子。
人気のある美人受付嬢で、家では怠惰なオタク生活を送る犬塚まりあ。
バリバリ仕事をこなし、私生活もピシッとした、できる人・熊代奈津美。
3人は、肉が好きだ。
もりもりと、肉を満面の笑みで食べる。
女性が夢中になってもりもり食べる。
「はしたない」と言う人は、いるかもしれない。「肉ばっかり食べるね」と何の気なしに言うかもしれない。
だがこの作品は「肉を食べる時に、他人(特に男)がどうこう口出しすんな」と、カウンターを打ち続ける。
食べる幸せは、自分と分かり合える仲間だけのもの。
擦り寄る男の、食と関係ない下心は、お断り。
幸せな笑顔は、好きにのびのび食べている時、生まれるのだ。
飲み会のシーン。
犬塚と狼谷は接待ばっかり気を使い、他人に食べ方の指摘をされ、とてもじゃないが気を緩められない。
2人は抜け出し、牛丼屋に行く。
大盛り、トロだく、卵2つ。
おしとやかに見える犬塚は、口いっぱいにかきこんで、吠える。
「うんめっっ」
しつこく犬塚を食事に誘う男性。全く話を聞いてくれない。
妥協して、彼の勧めるカフェをガン無視し、食べてみたかった牛カツ屋へ。
食べている最中、彼はデート気分でずっと話しかけてくる。
犬塚は言う。
「ご飯冷めちゃうので、食べますね」
牛カツの味を、全力で彼女は楽しむ。塩、わさび醤油、トロロ……おいしい!
「先に帰るのでお金置いておきますね」「奢っていただく理由がないので」
「牛角」とのコラボで描かれた、熊代の「一人焼肉」シーン。自分のペースで自由に食べており、見ていて気持ちいい。
「おひとり牛角、悪くないじゃない!」
もし一人焼肉に「ぼっち」なイメージがあって、二の足を踏んでいる人がいたら、彼女の楽しそうな姿、見てほしい。
犬塚は言う。
「好きなモノを好きに食べて、文句言われたって、痛くも痒くもないから」