「じぶんはおとこのこじゃなくて おんなのこのくま」絵本『くまのトーマスはおんなのこ』
絵本「くまのトーマスはおんなのこ」が12月7日から電子書籍配信されている。
副題は「ジェンダーとゆうじょうについてのやさしいおはなし」。
自分の性別に違和感を持った、トランスジェンダーがテーマの絵本だ。
少年エロールと、テディベアのトーマスは、仲良し。
トーマスは名前のとおり、男の子。
ある日トーマスは悩む。
「はなしたら きみとはもう ともだちじゃ なくなって しまうかも しれないよ」
「こころの なかでは いつも わかっていたの。 じぶんは おとこのこじゃなくて おんなのこの くまだって」
「なまえも トーマスじゃなくて ティリーが いいって おもってた」
エロールは、泣きじゃくるトーマスを抱きしめる。
「だいじなのは きみが ぼくの ともだちってことさ」
エロールはその後、ティリーに対して、特別に気を使わない。いつも通りだ。
ともだちの少女エイバがやってきたとき、彼女もまたすぐに「ティリー、いっしょに あそぼ!」と呼びかける。
作者のジェシカ・ウォルトンは、バイセクシャルの女性。元男性の父親は、トランスジェンダーで、今は女性だ。
性に対しての悩みとして重く考えず、よくある人間の悩みのひとつとしてまとめ、友情に重点を置いている。
ティリーは言う。
「きみって くまにとって さいこうの ともだちね」
ところで、電子書籍の絵本の弱点は、大きさが今一歩足りないところだ。
子供が1人で読むのはちょっとむずかしい。
逆に、いつでもタブレットに入れて子供に見せることができる、という利点がある。
ちょっとした時間に、親が開いて読み聞かせするのに最適だ。