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手塚治虫『鳥人大系』大傑作。高い知能をもちはじめた鳥が自衛隊と対決

Kindleには、日替わりセールと月替りセールがある。
どういう仕組で作品がセレクトされているのか判らないのだが、月替りセールには、毎回、手塚治虫作品が数作選ばれ、99円になるのだ。

たとえば今月は、この3冊。
ご存知『ブラック・ジャック1』
『リボンの騎士』の続編『双子の騎士』
鳥が知能を持ち人間を支配していく様子を描いた連作短編『鳥人大系1』
(ちなみに『田中圭一最低漫画全集 神罰1.1 kindle版』も、月替りセール中)

今月の最大のオススメは、やはり『鳥人大系』だろう。

マッチを摩って放火しはじめる小鳥。
鳥が高い知能を持ちはじめ、じわじわと人類を支配していく。
自衛隊との対決、鳥と人間の調停会談、七割の不妊治療で人口調整を要求してくる鳥の長、頭部が膨れあがった鳥たちの出現。
そして鳥人は、地球の支配者となり……。
『S-Fマガジン』に連載された大人向けマンガ。
ヒッチコックの「鳥」meets「猿の惑星」な展開に手塚治虫らしいシニカルな味付け。
全19章の短編が積み重なって大きな物語を紡ぐ構成と、それぞれの短編の絶妙なひねり。
人類に対する絶望と希望。
手塚治虫のストレートな良さが結実した傑作だ。
読み応えありながら冗長でない2巻で完結という長さもGOOD。
ぜひ、読んでほしい。

『鳥人大系』章タイトル
第一章「ウロロンカ・ドメスティカ・イグニス」
第二章「ラルス・フスクス・イグニス」
第三章「パイロマニアック・マグピー」
第四章「むかしむかし……めでたしめでたし」
第五章「オーベロンと私」
第六章「トゥルドス・メルラ・サピエンス(ブラック・バード)」
第七章「ローデシアにて」
第八章「スポークスマン」
第九章「ドゥブルゥド査定委員会への要請」
第十章「うずらが丘」
第十一章「クロパティア・ピティアルム」
第十二章「ポロロ伝」
第十三章「ミュータント」
第十四章「ファルコ・チンヌンクルス・モルツス」
第十五章「赤嘴党」
第十六章「カモメのジョンガラサン」
第十七章「ブルー・ヒューマン」
第十八章「ラップとウィルダのバラード」
第十九章「ドゥブルゥドへの査定委員会懲罰動議」