• トップ
  • 新刊情報
  • 家出娘、ストリップ劇場で東京の光と闇を見る『池袋レインボー劇場』2

家出娘、ストリップ劇場で東京の光と闇を見る『池袋レインボー劇場』2

ストリップ劇場に飛び込んだ少女を描いた「池袋レインボー劇場」の2巻がKindleなどで配信開始した。


恋人を追いかけて一人上京してきた、18歳の垢抜けない少女・ユキ。
ところが彼は別の女性と同棲中。
路頭をさまよっていた彼女は、ストリッパーの女性・歩夢に出会う。

美しくしなやかに踊る彼女。ユキはその舞台を見て、震える。
かつてバレエを経験しており、家の都合でやめさせられた彼女の血が疼く。
ストリッパーになることを決意した彼女、さっそく住み込みで働くことになった。

熱血ストリップ物語だ。
ユキの「ずっと踊りたかった!」という強い渇望と、ストリップの舞台がピッタリはまった。だからちょっとやそっとのことじゃめげない。楽屋をこまめに片付け、雑用を次々こなし、全力で働いた。まだ処女だし、脱ぐことへの抵抗はあったが、歩夢の舞台に強く憧れた。
そして「舞台をこなせない」自分への不甲斐なさに、苦しむ。

酔っぱらい、スケベ客、ストーカー。やじも飛ばされる。
ストリッパー仲間はホストとともに、借金で夜逃げした。歩美への嫉妬に歪んだメンバーは、怨みながら愛していない男の子供を産んだ。暴力沙汰があったら、もぐりの医者に放り込む。
なにより、職業「ストリッパー」とは、なかなか名乗れない。

外は、お金と欲の淀みが目立つ、夜の池袋。
しかしストリップを見に来るおじさんたちは、ほとんどが気のいい人たちだ。
踊り子の女性たちは、芸を磨くため一生懸命。まるで、解放された自由なシルクドソレイユ。

なぜ風俗やAVではなく、ストリップなのか。
歩夢は言う「ドキドキとかワクワクとか、ときめきたいんだよ」
初舞台で大失敗をかましたユキはこう言った。
「全然踊り足りないです!!」

ちなみに実際に「住み込み相談受けます」というストリップ劇場は今も存在している。
ああ踊りがあれば、辛くはないわ、この東京砂漠。