漫画家の「修羅場飯」の凄すぎる実態。料理漫画『めしにしましょう』1巻
風呂釜からザバっと現れる、低温調理済みの牛モモ塊。
潰したじゃがいもには200g以上と思われるバターの塊をボトっと落とし、
Youtubeで生きたスッポンの解体方法を調べ、さばく。
「だってすごい長かったから……」という理由でハモを買い、手まり寿司に。
なぜ一般家庭でこんな料理をつくらなければいけないのか。
それは、漫画家が修羅場を乗り越えるためである。
2016年11月22日発売の『めしにしましょう』1巻(イブニングコミックス)。
kindleなどで、電子書籍版も配信中。
著者は、同じくイブニングで連載中の松浦だるま『累-かさね-』のチーフアシスタントを務める小林銅蟲だ。
漫画家・广大脳子(まだれだいのうこ)のもとで働くチーフアシスタント・青梅川おめがが作る“修羅場飯”。
ローストビーフ、鍋、あんかけチャーハン、カツ丼と、名前だけ見れば普通のメニュー。
だが、そのスケール感が尋常じゃない。
切り出してきたままのデカい塊肉や、生きたスッポン。
紙を剥いたままのバターの塊、一面のウニ、新鮮なハモまるまる一匹。
食材がドカンと豪快だと、それだけで興味が湧きワクワクしてしまう。
さらに「肩ロース氏」「コシャリ」「ウ゜ドン」という、もはや見た目も発音方法も想像できない料理も加わる。
「これは一体何なんだ……」という疑問や不信。それを「うまそう!」「食いたい!」という欲望が超えていくのは快感だ。
エロいものを見ているときのような高揚感に、フードポルノという言葉を思い出す。
「つーかこれ私の家じゃん」と、松浦だるまがコメントしているように、广大脳子の家は著者・小林銅蟲の職場そのままらしい。
そして、登場する料理の制作風景写真を、小林銅蟲のブログで見ることができる。
漫画と併せて見ると、快感倍増である。
一の膳 ローストビーフとポテトピュレ
二の膳 すっぽん鍋
三の膳 超級カツ丼
四の膳 肩ロース氏
五の膳 肉あんかけチャーハン
六の膳 ブイヤベース的なもの
七の膳 絹かけ丼
八の膳 冷やし汁なし坦々コシャリ
九の膳 ハモの寿司とか汁
十の膳 ウ゜ドン