中国人は宮崎駿をどう観ているのか

『宮崎駿が世界に残した遺産』
ニューズウィーク日本語版2013年12月3月号などに掲載された記事で構成した電書だ。

全部で6つの記事。
1:宮崎駿が世界に残した遺産
アメリカ人記者のローランド・ケルツの記事。
「トトロを描くときに、どこを見ているのか分からないように描いた。王蟲もどこを見ているのかまったく分からない。トトロは利口なのかバカなのか分からない。何かをものすごく考えてるかもしれないけれど、何も考えてないかも」
宮崎駿が語ったことを紹介しながら、宮崎の遺産を引き継ぐアニメ作家のひとりとして細田守を挙げる。

2:世界を魅了した宮崎駿とその哲学
デーナ・ルイスの記事。

3:ナウシカと中国SFと共産党と
小学3年生のとき、中国中央電視台で『母をたずねて三千里』を観たエピソードから始まり、中国でどのように宮崎駿作品が受け止められているか。安替の記事。
“宮崎アニメの主人公は純粋な人物だが、中国SFの主人公は三国志の曹操のように複雑な人物ばかりだ”

4:ジブリのアニメは現代の浮世絵
“個人的な意見だが、アニメの文化は葛飾北斎のスケッチブックから始まったと思う。私は浮世絵師が大好きだが、特に北斎は最高だ。彼の絵は本当に生き生きとしている。ジブリの人たちは、そんな歴史と文化の輝かしい贈り物だ”
フランス最高のアニメーション作家ミッシェル・オスロが語る宮崎駿作品について。

5:緑深いジブリの庭に忍び込んだら
スタジオジブリを密着記録した映画『夢と狂気の王国』に関する大橋希の記事。

6:『風立ちぬ』のヒロインが「菜穂子」である理由
冷泉彰彦の『風立ちぬ』レビュー。

正直なところピンとこない意見もあるのだが、海外で宮崎駿作品がどのように受け止められているのかを考察するヒントになる記事が集まっている。
2016/11/04現在、KindleUnlimited読み放題対象だ。