• トップ
  • 新刊情報
  • イマドキのひとり暮らしがとりあえずは孤独じゃない理由『マヤさんの夜ふかし』

イマドキのひとり暮らしがとりあえずは孤独じゃない理由『マヤさんの夜ふかし』

「マヤさんの夜ふかし」1巻が10月20日から配信されている。

一人暮らしは寂しい。心の支えの1つが、ネットでの音声通話
SkypeやLINEをつかえば、どんなに遠くはなれていようと、何時間話そうと、カメラ通話しようと無料だ。

マヤさんは東京で一人暮らし中。仕事から帰ってくると、毎晩ノートパソコンの前に座り、ヘッドフォンとマイクを準備し、ネットに接続。
Skype的なソフトを立ち上げ通話を開始する。向こう側には、東北で漫画を描いてくらしている、実家住まいの友人・豆山。
2人は毎晩、数時間に渡って音声チャットをしている。

と言っても、なにも数時間ずっと、電話のようにしゃべっているわけじゃない。
つなぎっぱなしで、それぞれ全く別のことをしている。
マヤさんは、一人が寂しいから豆山に話しかける。
豆山は作業に集中しやすいので、マヤさんの通話を受ける。

ネットスラングで「さぎょイプ」という単語がある。「作業」+「Skype」のこと。
PC前作業はどうしても孤立せざるを得ない。単調な作業となると、ひたすら眠くなる。
そこで、似たような生活スタイルの人と、Skypeつなぎっぱなしで作業をする。すると「相手も作業をしている」という牽制になって、目が冴える。
イラスト作業や同人誌制作をしている人には、おなじみの手段だ。
(関連・「さぎょイプ」するならどのタイプ? がツイッターで話題

マヤさんと豆山の会話時間帯は主に深夜0時から早朝6時。マヤさんは昼から仕事。
完全に昼夜逆転生活。しかし溜まったストレスを吐き出す相手が「深夜」にいる、というのはあまりにも大きい。
これは現代の、決して少なくない生活スタイルだ。

ところでマヤさんは自分を「魔女」だという。
豆山は彼女の力を見ていないので、まあまあ仲がいいのに全然信じていない。
目の前にいない相手の言うことを、どこまで信じられるか。
ネットを介した時の壁は、どうしても厚い。