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どうしちゃったんだよ、ツイッター『ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り』

揺れを感じると、ツイッターを見てしまう。

「揺れた」
「揺れ?」
「フォロワーのみなさん、大丈夫ですか?」

『ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り』(ニック・ビルトン 著/伏見威蕃・訳 日本経済新聞出版社)は、ツイッター創業者たちの出会いと別れを追った一冊。彼らや関係者に対して65時間以上のインタビューを行っている。よく答えたなと思うくらい赤裸々だ。

2006年8月下旬、サンフランシスコのツイッターオフィス。
その日ツイッターを使ったのは、わずか数百人だった。

「だれか地震を感じたか?」
「地震だったのかな」
「ゲ、地震」
「マグニチュード四・七二の揺れ」

開発者のひとり、ジャック・ドーシーのタイムラインが地震に関するツイートであふれた。
ツイッターの創業者たちは4人。

エブこと、エバン・ウィリアムズ
ノア・グラス
ジャック・ドーシー
ビズ・ストーン

この出来事は、エブとジャックのツイッター感の違いを露わにした。

ツイッターは「人びとの孤独感を癒すため」に使われている。これを強く感じていたのはノア。ジャックは「ツイッターは自分のことを話す道具」と見ていたし、エブは「世界で起きていることを覗き見るファインダーだ」と考えるようになる。

ユーザーからしてみれば、どっちもツイッターだ。
友だちだったはずの4人。現在、経営陣としてはジャックのみが残っている。