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『HUNTER×HUNTER』14巻。パパス的ポジションのビスケを振り返る

冨樫義博のHUNTER×HUNTERが休載してから14週が経過。今回は単行本14巻からグリードアイランド編を振り返る。

初心者狩りに遭い、雑魚モンスターにも手を焼いていたゴンとキルア。2人の旅を見かねたビスケが仲間になる。ロリロリした外見で、ゴンとキルアとそんなに背格好も変わらないのだが、実年齢は57歳。本当はもっとごつい姿の女性で、その筋肉を活かしたパワー系の戦いをする。

RPGでは、序盤で弱いパーティのとき、強キャラが加入してくれるパターンが時々ある。例えばドラクエ5のパパス、ドラクエ7のマチルダさんなどがこれに該当する。彼等はだいたい一段落つくと何かしらの理由でいなくなってしまう。個人的には、これをパパス・パターンと呼んでいる。
主人公との能力差を考えると、ビスケもパパス・パターンなのかと思えるのだが、読んでいたときはそんな雰囲気もなかった。圧倒的力量を持ちながら、彼女の戦闘シーンは2回だけだったから。

そのうち一つの戦闘はグリードアイランド編のラスボス戦。デスタムーア、右腕、左腕みたいな3人組を、ゴン一行はそれぞれ1対1で倒そうとしていた。
ビスケは自分の担当する相手を一発で沈めてしまうのだが、ドラクエ方式でバトルを展開していれば、おそらく3ターンでラスボス一行を蹴散らせたはず。ゴンとキルアを思いやって経験値(グリードアイランドにそんなステータスはないが)を分散させたんだろう。
ビスケが最初から最後まで無双した場合、ゴンとキルアは成長できない。しかし、パパスやマチルダさんが大暴れしても、主人公たちにも経験値が入る。そう考えるとドラクエの経験値のシステムが理不尽に思えてくる。