未亡人、男子高校生を餌付けする『八雲さんは餌づけがしたい。』
Kindleなどで9月24日から配信されている、里見U『八雲さんは餌づけがしたい。』。
夫を亡くした一人暮らしの女性、八雲柊子。28歳。
彼女の家には、親戚でもなんでもない仏頂面の男子高校生・大和翔平が毎日やってくる。
2人の挨拶は「ただいま」「おかえりなさい」。
八雲の隣の部屋で、一人暮らししている大和。野球部員で背の高い彼は、ものすごい量食べる。おにぎりなら一口でペロリ。
食べっぷりがあまりにもよいので、ふとした思いつきで、八雲は彼を毎晩部屋に呼んで、ご飯を食べさせるようになった。
たくさん食べる人には、料理のしがいがある。
元々料理が好きだった八雲。食べさせる相手がいなくなったことで、食事を作ることへの興味がしぼみはじめていた。
だから大和に対しては「料理をしてあげている」という意識はない。食べてくれる人がいるから、彼女は「料理が楽しい」。
会話があまり得意ではない大和の警戒心は、ご飯を食べることで解けている。
彼はあまり「おいしい」と言わないけれど、おかわりしまくるのは満足している証拠。腕をふるいたくなるってもの。
2人の関係は、恋人でも友達でも姉弟でも親子でもない。年の離れた他人だ。
誰もいない夜桜の下、レジャーシートを敷いてお弁当を食べる2人。
未亡人の髪についた桜を、男子高校生が触れるでもなくはらう様は、ものすごくエロティックだ。