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「HUNTER×HUNTER」13巻を振り返る。マニア・コレクターの苦しみ

冨樫義博の『HUNTER×HUNTER』が週刊少年ジャンプから姿を消して13週が経過。今回は単行本13巻を振り返る。
ゴンとキルアはグリードアイランドが出品されるオークションに参加。どこぞのお姉さんの開会宣言をもって競売が始まった。

このBホールでは一風変わった品ばかりをとりそろえております
それを目当てに集まられた皆様も つまるところ変わり者といえましょう
しかしそう言われることこそコレクターの証! マニアの誇り!!
どうか皆様 世間の目など気にすることなく 狙った品物を競り落としてくださいませ!!

一品目に出された品物はデオドロザウルスの糞の化石。
軟便だろうが硬便だろうが、形が崩れやすいため、化石として残りにくく、考古学的にも貴重な価値がある。今後、入札者の自宅に招かれて、うんこの化石を自慢される人は、どんなリアクションをするのか…。

コレクターやマニアが、他人の理解を得られないのはよくあること。こち亀112巻の「正しきコレクター道!! の巻」では、彼らの苦しみが語られていた。
納豆のつつみ紙のコレクターは、人から汚いと言われたことを告白。ヘルメットマニアは、奥さんから「汚くてじゃまだから早く捨てて」「あなたが死んだらただのゴミよ」と言われていた。
彼等の収集物を聞いて、「全然うらやましくない」「自慢もできない」と漏らすマニアの声も。

ファイリングしたり、部屋に飾ったり。最初は自己完結する趣味だったコレクティング。規模を拡大していくうちに、周りからチヤホヤされたい…、タモリ倶楽部に出たい……などという欲望が芽生えてくる。

Bホールのお姉さんの開会宣言に笑う人がいたが、彼女の言葉にこそ、「正しきコレクター道」が表れているのである。