ゴブリンが襲う村を、高レベル冒険者は守ってくれない『ゴブリンスレイヤー』
9月13日からコミカライズ版『ゴブリンスレイヤー』1巻と、小説『ゴブリンスレイヤー』3巻が、Kindleなどで同時配信されている。
ゴブリン。最弱のモンスターだ。
最初のクエストとしてゴブリン狩りに出かける冒険者の卵は多い。
確かに一匹だったら、人間の子供程度の強さ。退治はさほど難しくない。
だが洞窟や砦に、多数のゴブリンが村を作っている場合は、そう簡単にはいかない。
初心者冒険者たちはその気の緩みゆえに、男は殺され、女は陵辱された。
そんな中、高レベルなのにゴブリンだけを狩り続ける、単独行動の戦士がいた。
ファンタジーRPGの裏側を考えた作品。
RPGは大体の場合「レベル」という考え方がある。レベルが上がれば強くなる。装備も固くなる。
レベルが上がればドラゴンやデーモンのような、強い敵の出るクエストに挑むもの。
となると、高レベルでわざわざゴブリンの退治なんてお金にならないクエストを頼む必要がない。
人の住む村はドラゴンよりも、数の多いゴブリンに襲われる頻度のほうが圧倒的に高い。
なのにうまみがなさすぎて誰も来てくれない。
必然的に初心者パーティに仕事が行く。
群れなすゴブリンの数の暴力を知らない初心者パーティは全滅してしまう。
いつまでたっても直らない、悪循環だ。
ゴブリンスレイヤーは特殊能力を持ってない。独自のロジックを立てて退治していく。
例えば、何匹も倒すには、血糊がついた立派な武器よりも、その場で拾ったゴブリンの武器を使い捨てるほうが効率がいい。
なるべくまとめて倒さない。火でおびき出して、一体ずつ確実に倒す。
子供だろうが容赦しない。根絶しないと、またゴブリンの群れができてしまうからだ。
残虐な描写が多いこの作品。ゴブリンだって、弱かろうが人を殺す魔物であることを痛感させられる。
コミック版は原作に忠実な上に、文章で表現しきれなかったエログロも満載です。