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『アフターアワーズ』に勇気づけられて恐る恐るクラブに行ってみた

「わかんなくて。こういうとこって、どう楽しんでいいのか。」

暗いクラブのフロア。明るい光を背負い、ケイちゃんは答える。

出会いを求めにくる人
ただただ音楽に夢中な人
何かを忘れたくて来る人
それから 呑んべぇも多いわね

「私? 私は 全部かな!」

西尾雄太『アフターアワーズ』第1巻(ビッグコミックス)。
クラブになじめないエミちゃんが、30歳のDJ・ケイちゃんと出会うガールミーツガール物語だ。

クラブに何度か行ってみたことがある。エミちゃんのように何をしたらいいかわからなくて、足が遠のいてしまった。

「でもさ、イベントも毎夜あるんだから、居心地のいい場所だってきっと見つかるよ。」
ケイちゃんの言葉に勇気づけられ、久しぶりにクラブに行ってみた。

『アフターアワーズ』を読んだというオーガナイザー(主催者)が、話しかけてくれた。
「イベントは赤字で、仲間も離れていってしまったケイちゃんの過去。自分の経験を思い出して泣けたよ」

その日のイベントは大盛況で、彼はずっと笑顔だった。

「DJの近くやスピーカーの前に行ってごらん。同じフロアでも雰囲気が全然違って楽しいよ」

一番盛り上がっている場所に立ってみる。楽しそうに踊る人たちに囲まれると、幸せな気持ちになった。
この場所になじんでいる人たちにも、最初に手を引いてきてくれたケイちゃんみたいな存在がいたのかもしれない。
Fotor-でシェアしたステキな写真
現在、第2巻発売に向けた応援運動や、作者のレコード解説でも話題の『アフターアワーズ』。紙の本は入荷待ちになることもあるようだ。今すぐ読みたいなら、電子書籍もおススメ。