『ジキル博士とハイド氏』原作読んでない人、読みやすい訳ですよ

古典的名作『ジキル博士とハイド氏』。夏来健次訳の創元推理文庫版。

あまりにも有名であり、何度も映像化されたため、もはやたいていの人が読む前から重要なオチのひとつを知ってしまっている作品。

作者は、『宝島』も有名なロバート・ルイス・スティーブンソン。
19世紀後半のロンドン地図が巻頭に掲載され盛り上がる。

佐々木直次郎訳『ジーキル博士とハイド氏の怪事件』の青空文庫版が0円で手に入る。
訳のノリが大きく違う。こんな感じ。
「わたしはカインの主義が好きだよ、」と、彼はよくこんな妙な言い方をするのだった。「兄弟が自分勝手に落ちぶれてゆくのを見ているだけさ。」(佐々木直次郎訳)
「わたしはカインの悪徳に共感するね」と、アタスンはいささか自虐気味にいうことがあった。「同じ立場になったら、やはり自分も弟を地獄へ送って平然としているかもしれない」(夏来健次訳)

読みやすい夏来健次訳をオススメ。
ただ電子書籍版には、解説が収録されていない。

ちなみに、1988年には、『ジキル博士とハイド氏』は、『ジーキル博士の彷魔が刻』というタイトルでゲーム化されている。
ファミリーコンピュータ用。
ジーキル博士とハイド氏がが、凶暴化したロンドン市民や虫に何故か攻撃される横スクロールアクションゲームだ。
ロンドンの街並みのグラフィックスはけっこう良いのだが、ゲームとしてはそうとうハードな難物だ。